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今回は『もう臨月なのに!「後期つわり」の症状と対策』をご紹介させて頂きます。

そもそも「つわり」とは?

「つわり」は、妊娠の初期にあらわれる現象で、
(1)吐き気や嘔吐があらわれる
(2)お腹が空くと気持ちが悪くなる
(3)胃もたれ・むかつき・胸焼けが起こる
(4)匂いに敏感になる
といった症状がみられます。他にも、食べ物への嫌悪感、食欲不振、嗜好の変化など、妊婦によってさまざまな症状があらわれます。

妊娠5~16週に起こるのが一般的です。つわりは、妊娠期の女性の約50~80%の人が悩まされる症状ですが、発生する原因については、現在のところ明らかになっていません。妊娠期に分泌量が増加する複数の「ホルモン」が、大きく影響しているといわれています。しかし、つわりの症状が起こらない人もいることから、ホルモンの分泌だけが原因とは考えられず、その他の要因も複雑に関係しているのでしょう。

後期つわりは「妊娠8ヶ月」からが多い

通常「つわり」は、安定期に入ると楽になるものですが、妊娠8ヶ月以降(28〜40週)になって、ふたたび
(1)吐き気
(2)嘔吐
(3)胸やけ
(4)胃もたれ
(5)胃痛
(6)便秘
(7)動機・息切れ
(8)眠気
などの症状があらわれることがあります。妊娠の後期に見られることから「後期つわり」と呼ばれる症状です。

「後期つわり」の発生は、人によってさまざまですが、「妊娠8ヶ月(28~31週)」〜「9ヶ月(32~35週)」を境に始まる人が多いといわれています。そしてなかには、臨月(妊娠36週以降)に入ってからでも、後期つわりが始まる人もいます。

「胎児の成長」と「さまざまなホルモン」

妊娠における「つわり」のはっきりした医学的原因は、今になっても明らかになっていません。もちろん、後期つわりについても、同じことがいえます。しかし、影響する要因として「胎児の成長」と「さまざまなホルモン」が挙げられます。

妊娠が後期に入ると、子宮は「胎児の成長」にあわせて広がります。すると、内臓が圧迫されて、吐き気などの症状が起こると考えられています。「胃」は上方向に持ち上げられ、そして「腸」は下方向に押し下げされた状態が続きます。そのため、少量の食事でも胃もたれ、胃痛、吐き気、便秘などのなどの症状があらわれます。

また、妊娠後期を迎えると、「さまざまなホルモン」が体の複数の器官から分泌されるようになります。卵巣からは「エストロゲン(卵胞ホルモン)」や「プロゲステロン(黄体ホルモン)」、下垂体からは「プロラクチン(泌乳刺激ホルモン)」が多く分泌されます。これは出産への体の準備を整える作用です。しかし一方で、ホルモン分泌量の変化は、体のバランスを崩すことになり、体内の器官や血圧などに影響がもたらされます。それが、嘔吐などの症状として起こるようです。

市販薬は飲まず、「産婦人科」を受診する

後期つわりは、胃の圧迫が大きな要因であるため、「食事の内容」と「食事の分量」について改善が必要になるでしょう。しかし、その人の体質や体調によって違うため、「うまくいった」とされる対策が、そのまま別の人にも効果があるとは限りません。

吐き気を軽減するには、なるべく空腹になる時間を少なくすることが大事です。そこで「少量の食事をこまめに食べる」、つまり1回の食事量を減らして食事回数を増やすことを試みてはどうでしょう。また、胃腸への負担を減らすため、おかゆなど消化のよいものを食べる、果物や野菜ジュースなどを摂取する、といった工夫を試しながら、自分の体調に合ったものを見つけるとよいでしょう。

そして、症状がつらいときは、無理をせずに休むようにします。胃痛や胃もたれがつらくても、市販薬を飲むのは避けましょう。症状が続くようなら、遠慮せずに「産婦人科」を受診し、専門医に相談します。

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