子どもの耳掃除と「耳垢栓塞」について

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今回は『子どもの耳掃除と「耳垢栓塞」について…』をご紹介させて頂きます。

耳垢は掃除しなくても「自然に」排除される

耳垢栓塞(じこうせんそく)の「耳垢」とは、一般的にいう「耳あか(俗に、耳くそとも呼ばれます)」のことです。耳垢栓塞は、耳のなかに耳あかが大量に溜まり、外耳道(耳の入り口から鼓膜までの耳の穴)を塞ぐほどの事態になっている状態です。

耳あかは、外耳道にある「耳垢腺(耳道腺)」と「皮脂腺」から出る分泌物に、皮膚の落屑が混ざり、さらに外から侵入してくるホコリやゴミがいっしょになって作られます。皮脂などが分泌される場所と関係して、本来、耳垢は、耳穴の入口から約3分の1までの範囲にしか存在しないものです。

さらに、咀嚼やあくびなど顎の動きによって、耳垢は自然に外に出るような仕組みになっています。そのため、耳が聞こえづらいなどの症状がなければ、耳掃除はそれほど頻繁に行う必要がありません。ところが、子どもの場合は、大人にくらべて外耳道が狭いため、耳垢が溜まりやすく、定期的な耳掃除が大事になります。

ヨーロッパで「耳かき」は見かけない?

人間の耳垢は、
(1)カサカサと乾燥したタイプの「乾性耳垢」と
(2)松ヤニのように粘り気が強く、湿って軟らかいタイプの「湿性耳垢」の
2種類が存在しています。自分がどちらのタイプの耳垢であるかは、体に持っている「ABCC11」と呼ばれる遺伝子によって、産まれながらに決まっています。基本的に、一生涯、耳垢のタイプが変化することはありません。

耳垢のタイプは、民族や生まれた土地などが影響しているといわれます。調査によると、日本人の場合は、全体の約80%が「乾性耳垢」で、約20%が「湿性耳垢」のようです。お隣の中国や韓国では、約90%以上が「乾性耳垢」です。

その他、アメリカ(北アメリカ)では「乾性耳垢」と「湿性耳垢」が半分ずつの割合でいます。ヨーロッパでは、約70〜80%が「湿性耳垢」で、日本とは反対の割合です。さらに、アフリカや南アメリカでは、約95%が「湿性耳垢」です。

私たちは耳掃除に「耳かき」を使うのが一般的ですが、ヨーロッパなど海外では「湿性耳垢」の人が多いため、耳かきはあまり見かけません。綿棒などを使って、拭き取るように耳を掃除しています。

「耳垢栓塞の子ども」が増えている

日本耳鼻咽喉科学会の調査によると、現在、日本の小学生の約8%、中学生では約6%の子どもに「耳垢栓塞」の症状が見られるといいます。この数字は、驚くほど多い割合で、近年「耳垢栓塞」の子どもが急増している様子がわかります。

「耳垢栓塞」を患うと、
(1)耳の穴やその周辺の痛み
(2)耳の中が塞がったような感覚(耳閉感)
(3)軽い難聴
(4)耳鳴り
(5)めまい
(6)喉の痛み
などを引き起こす恐れがあります。また、外耳炎にかかるリスクが高くなることもあります。

耳垢栓塞のおもな原因は、綿棒を使った耳の掃除方法に問題があると考えられます。耳垢を懸命に取ろうとして、綿棒を奥にまで侵入させることで、かえって耳垢を耳の奥に押し込んでしまうことがあるからです。さらに、奥に押し込まれた耳垢は、入浴や水泳などで耳に水が入ったときに、耳垢が水分で膨らみ、外耳道を塞ぐことがあります。

子どもの耳掃除を「耳鼻科」に頼むという選択

カサカサの「乾性耳垢」の人は耳かきを使い、ネバネバの「湿性耳垢」の人は綿棒を使って耳掃除を行うのがよいでしょう。耳にはもともと自浄作用があるため、掃除は2週間に1度の頻度で十分です。耳の穴から1cmぐらいまでを掃除しましょう。ガリガリと力任せに外耳の壁をこすってはいけません。外耳炎などを引き起こす恐れがあります。

子どもの場合は、無理をせずに、2週間に1度程度に「耳鼻科」で耳掃除をしてもらうのもよいでしょう。特に、耳が聞こえづらいと子どもが訴えるときは、耳垢が奥につまっている可能性があります。医師が専門器具などを使って取り除くほうが賢明です。「病気でもないのに」などと考えず、耳鼻科を受診しましょう。

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