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今回は『運動好きな子どもは注意!「ジャンパー膝」の原因と症状』をご紹介させて頂きます。

「シャンプ」や「キック」で起こりやすい

ジャンパー膝は、おもに
(1)ジャンプ動作
(2)キック運動
(3)激しいダッシュのくり返し
によって、膝(ひざ)やその周囲に痛みが起こる障害(故障)です。医学的には「膝蓋靭帯炎(しつがいじんたいえん)」という名前の疾患です。ジャンプの着地時に痛みが出ることから、「ジャンパー膝」と名付けられています。

バレーボール、バスケットボール、サッカー、体操、走り幅跳び・走り高跳びなどの陸上競技をこなす選手によく見られ、運動している最中や運動したあとに、膝のお皿のあたりに痛みが起こります。

ジャンパー膝は、約12〜20歳までの成長期の子どもに多くみられる症状です。特に、部活動など日常的にスポーツに取り組む10代の男性に発症しやすい傾向があります。運動をしばらく休むと、痛みが一時的に軽減することがあるため、治療の開始が遅れて、症状が長引く心配があります。

膝の「お皿の下が痛む」ようなら

ジャンパー膝は、膝蓋骨(膝のお皿)と脛骨(すねの内側の骨)をつなぐ「膝蓋靱帯(しつがいじんたい:膝のお皿の下にある靭帯)」が炎症している状態です。そのため、膝蓋骨のすぐ下(あるいは、すぐ上)に
(1)痛み
(2)腫れ
(3)熱感
などの症状があらわれます。症状が初期の場合、運動してすぐに症状があらわれ、一旦は治りますが、再び運動中に痛みが起こる、といった様子が頻繁に見られることでしょう。

そして、学生(子ども)のうちは、特に男の子は、少々の痛みでも無理して運動をしてしまいがちです。指導者など周囲の大人は、選手それぞれの様子を普段からよく観察し、動きに異変がある、または膝などに違和感や痛みを訴えているといった子どもには、「整形外科」への通院を促すなど、適切な助言を行うことが大事です。

症状を放置していると、患部の炎症は進行して、
(1)運動を休んでも痛みがひかない
(2)日常生活でも膝にズキズキとした疼痛を感じる
(3)歩行が困難になる、といった症状の悪化が起こります。このような状態になると、膝蓋靭帯の微小断裂が起こっていると考えられます。

「太ももの筋肉」の使いすぎ

ジャンパー膝は、ジャンプやキックなど、膝を伸ばすときに使う筋肉、腱、靱帯の使いすぎ(オーバーユース)により、炎症が起こります。特に、骨盤から膝蓋靭帯につながる「大腿四頭筋(太ももの前面の筋肉)」の使いすぎは、疲労の蓄積から筋肉が柔軟性を失って硬くなり、そして縮むことで、膝蓋靱帯が引っ張られて炎症へとつながります。

また、ジャンパー膝が成長期の学生に多いのは、骨の成長に比べて筋肉(大腿四頭筋)が追いつかず、縮んだような状態になるため、膝蓋靱帯に負担がかかり、やがて炎症が起こりやすくなるからです。

早めの治療なら「短期間」で治る

膝に違和感や痛みを感じるようなら、運動を中止して、すみやかに「整形外科」を受診しましょう。ジャンパー膝は、X線検査では異常が認められることが少ないため、触診に加えて超音波画像(MRI)による検査によって診断が確定します。

運動を休み、安静に過ごすことが必要です。症状が初期であれば、大腿四頭筋など膝周囲の筋肉の改善と強化を目的とするストレッチを行い、様子を見ることになるでしょう。また、痛みが強い場合は、「消炎鎮痛薬」が処方されます。痛みの程度によっては、「ステロイド注射」を患部に注入して、痛みを抑える方法がとられます。

膝蓋靭帯が完全に断裂しているなど、症状が重度の場合は、靭帯を縫い合わせる手術が検討されます。1週間程度の入院とその後のリハビリが必要です。ジャンパー膝は、症状が初期のうちに治療を開始することで、短期間で治る障害です。放置せずに、早めに「整形外科」を受診しましょう。

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