悪玉コレステロールが増える「脂質異常症」について

今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け!
今回は『悪玉コレステロールが増える「脂質異常症」について』をご紹介させて頂きます。

いまでは「動脈硬化」のいちばんの原因

「脂質異常症」は、血液中に含まれる余分な脂質(コレステロールなど)が、一定の基準以上に増える症状です。以前は「高脂血症」といわれていた病気です。脂質異常が見られることで、血管が詰まりやすくなり、さまざまな病気へのリスクが高まります。

もっとも心配してされる事態としては、動脈が固くなる、いわゆる「動脈硬化」が起こりやすくなることです。動脈硬化といえば、これまでは高血圧・糖尿病・喫煙といったものが主な原因として挙げられていました。ところが近年、日本でも食生活の欧米化が進んだことで、「脂質異常症」が動脈硬化のもっとも大きな原因として報告されています。

さらに、脂質異常症を放置すると、症状がほとんどないまま動脈硬化が進行し、脳梗塞心筋梗塞など、死につながるような重い病気を引き起こす恐れがあります。

「自覚症状がない」ことが恐い

脂質異常症は、血液がドロドロになるのが一般的な症状です。ところが、これは自覚症状として感じることは、まずありません。脂質異常症患者の多くは、健康診断などによる検査値に異常が見られたことで、医師などから指摘されて、自分が病気を認識するケースがほとんどです。そのため、症状を実感することなく、数値で示されるため「脂質異常症」を病気として軽視する傾向があります。

厚生労働省が行った「国民健康・栄養調査」によると、30歳以上の日本人の約30%は、コレステロールが高い状態であり、そのうち具体的な治療を行っている男性は約36%、女性は約45%という結果です。いかに、脂質異常症が放置されているのかがわかります。

心筋梗塞」や「脳梗塞」のリスクが高まる!

しかし、脂質が増えた状態を放置すると、気づかないうちに病状は「動脈硬化」へと進行することでしょう。過剰な脂質が血管内に入り込み、血管の壁に付着して「プラーク」と呼ばれるコブを作ります。すると、血管は弾力性やしなやかさを失い、また血管の内側は狭くなり、血液が流れにくい状態が続きます。

その状態からさらに、何らかの刺激によってプラークが破裂されると、血栓(血液が固まったもの)ができて血管を塞ぎ、体中の組織に「酸素」や「栄養」が行き届かなくなります。これがいわゆる「動脈硬化」と呼ばれる症状の恐ろしさです。そして、動脈硬化が冠動脈で起きれば「心筋梗塞」になり、脳の動脈なら「脳梗塞」を引き起こします。そうならないために、脂質異常症の早い段階で、治療することが大事です。

「食べすぎ」と「運動不足」が原因

脂質異常症は、血液中に含まれる脂質のうち、(1)悪玉(LDL)コレステロールが多すぎる、(2)中性脂肪(トリグリセリド)が多すぎる、(3)善玉(HDL)コレステロールが少なすぎる、という条件で起こる病気です。

体にコレステロールを運ぶ働きの「LDL」が増えて、余分なコレステロールを回収する役割の「HDL」が減少しているため、体内では余分な脂が血液に溢れています。こうした余分な脂は、比較的短期間で血管の壁に溜まり、動脈硬化として、臓器や組織の働きを疎外します。

脂質異常症の発症には、食べすぎ、運動不足、肥満、喫煙、お酒の飲みすぎ、ストレスなどが関係しているといわれています。なかでも、「食べすぎ」と「運動不足」といった生活習慣が大きく影響しています。脂質異常症の約80%は、生活習慣病に起因するともいわれています。また、「家族性高コレステロール血症」と呼ばれる遺伝性も、少数ながら原因として挙げられます。

治療のはじめは「食事」と「運動」の改善

脂質異常症は、血液検査によって診断が確定されます。
(1)LDLコレステロール値が140mg/Dl以上
(2)HDLコレステロール値が40mg/dL未満
(3)中性脂肪値が空腹時採血で150mg/dL以上
であると、「脂質異常症」と診断されます。

治療は、「食事療法」と「運動療法」から始めるのが一般的です。食事は、
(1)コレステロールの高い食品を控える
(2)食塩の摂取量を抑える
(3)外食の回数を減らす
(4)野菜を増やしたバランスのよい食事を心がける
(5)間食の習慣をできるだけなくす
(5)食べすぎないよう注意する
などを実施します。そして、ウォーキングやサイクリングなど有酸素運動を生活のなかに取り入れます。できることから始めて、続けることが大事です。

生活習慣の見直しを行なっても、症状が改善されないときは、食事療法や運動療法と合わせて「薬物療法」を勧められるでしょう。コレステロールや中性脂肪の産生を抑える薬や、コレステロールの排泄を促進させる薬などを服用します。

関連記事

   

Archive

ページ上部へ戻る