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今回は『「目の紫外線対策」は大丈夫ですか?』をご紹介させて頂きます。

紫外線で「目も日焼け」する?

太陽がキラキラまぶしい季節がやって来ました。これからますます暑くなり、スポーツ、アウトドア、野外レジャー、旅行など外出する機会も増えることでしょう。そうなると、気になるのはお肌のケアです。日焼けをしないように十分な対策が必要です。

ところで、紫外線の対策が必要なのは、顔や体の皮膚だけではありません。あまり知られていないことですが、実は紫外線による悪影響を、皮膚以上に受けているのは「目」です。目は他の器官にくらべて、そのほとんどが外部に晒されているため、紫外線の強いエネルギーによって、炎症を起こしてさまざまな病気にかかる恐れがあるのです。

紫外線は「紫を超える」

太陽からの光は、波長の長さによって、
(1)赤外線
(2)可視光線
(3)紫外線
に分類されます。紫外線は、肉眼で見ることができない光線(不可視光線)で、波長が短く、照射したものに何らかの影響を与える特徴があります。

不可視光線は、虹の7色から構成されていますが、紫外線は「紫色」の外側に位置しているため、「紫を超えている」という意味で「Ultra-Violet(ウルトラバイオレット)」という名前がつけられています。一般的に使われる「UV」は、紫外線であるUltra-Violetを省略した呼び方です。さらに、紫外線のなかでも波長の長い順に、「UV-A」、「UV-B」、「UV-C」と3つに大別されています。

紫外線は「網膜にまで」到達する

製薬会社の調査によると、20〜40歳代の女性の約90%は、春から夏の季節は紫外線対策を行なっているようですが、「目の紫外線対策」を行なっている人は、そのうちの約13%にとどまっています。

対策もなく、紫外線を長く浴びると、角膜(黒目)や結膜(白目)にダメージを受けることになります。太陽からの光、つまり紫外線は、目のなかで約80%は角膜に吸収されますが、角膜を通過した光は、その奥にある「水晶体」や「網膜」にまで到達します。

目にはもともと紫外線を防ぐ力が備わっていますが、角膜や水晶体などへの小さな影響が、長い年月によって蓄積することがむしろ心配です。すぐに何らかの症状が出なくても、紫外線の影響を長いあいだ(何年にも渡って)受け続けた角膜や網膜は、やがて目の病気を引き起こします。

紫外線のダメージで起こる「目の病気」

長いあいだ太陽光を浴びた目は、紫外線によって活性酸素が過剰に発生し、近い将来で眼病を引き起こすリスクが高くなります。なかでも、
(1)白内障
(2)角膜炎
(3)黄斑変性症
(4)瞼裂斑(けんれつはん)
(5)翼状片
は、紫外線によるダメージの蓄積が大きな原因と考えられています。

<白内障>
白内障は、水晶体(カメラのレンズの働き)が白く濁って、視界が全体に渡りかすむ、視力が低下する、といった症状があらわれます。

<角膜炎>
角膜炎は、黒目(角膜)の表面に傷ができ、目が充血する、涙がでる、目がゴロゴロする(異物感)、目が痛い、などの症状が見られます。種類のある角膜炎のなかで、「紫外線角膜炎」という呼び名で分類されています。

<黄斑変性症>
黄斑(おうはん)とは、網膜の中心にある黄色の部分をいいます。黄斑変性症は、黄斑に障害が起こることで、視界がゆがむ、見たいところが見えにくい、視界の一部が黒く欠損する、といった症状があらわれます。

<瞼裂斑>
瞼裂斑(けんれつはん)は、目頭よりの白目(結膜)の表面が厚く盛り上がり、黄色く変色する病気です。目の充血、ドライアイ、目の疲労などの症状があらわれます。

<翼状片>
翼状片(よくじょうへん)は、「瞼裂斑」と似ている眼病です。目頭からはじまる白目の異変が、角膜(黒目)の上にまで症状が広がる状態です。

「5つの対策」+「食事と目薬」

お肌の日焼けを気にするように、目の保護にも注意を向けるとよいでしょう。といっても、クリームやパウダーを目のなかに塗るというわけにもいきません。
(1)UVカットの日傘を使う
(2)ツバのある帽子をかぶる
(3)UVカットのサングラスをかける
(4)ときどき日陰に入る
(5)帰宅したら目を冷やす
といった行動を、特に日差しの強い日中は心がけるようにします。

また、目のダメージ回復に効果のある「ルテイン」や「ビタミン」が豊富に含まれる緑黄色野菜をなるべく摂取するようにしましょう。そして、「活性型ビタミンB2」や「コンドロイチン」など、角膜の修復を促す成分が配合された「目薬」を適宜さすようにします。

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