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今回は『山のレジャー、「ブヨ」に気をつけて!』をご紹介させて頂きます。

えっ、ブヨは刺さない?

ブヨは、蚊やダニなどと同じように、人や動物の血液を吸う昆虫です。全国に生息し、標準的には「ブユ」という名前が付けられています。関西地方では「ブト」と呼ばれることがあります。

体長は約2~5㎜で、刺されると半日~1日後くらい経って、激しいかゆみ・強い痛みを感じ、患部が赤くパンパンに腫れる症状があらわれます。

ブヨは蚊と同じくハエの仲間ですが、蚊のように「針」で刺して吸血するのではなく、皮膚を噛み切って吸血します。その意味では、「ブヨに刺された」という表現は正しくないかもしれません。そして、吸血のあとには傷口から出血が見られます。

夏のアウトドアレジャーでは注意が必要

ブヨは6~9月のあいだに、きれいな小川・渓流・高原に生息しているため、夏のキャンプ、登山、釣りなどのアウトドアレジャーでは注意が必要です。症状が遅れてやって来るため、ブヨにやられた箇所から「血が出ている」と他人からの指摘で気がつくケースが多くあります。

蚊でもブヨでも、虫に刺されたときの反応には個人差があります。ブヨに刺されたときのかゆみや痛みは、ブヨの唾液腺物質に対するアレルギー反応です。ブヨは吸血のときに皮膚を噛み切り、唾液腺から毒素を注入します。

蚊よりも「症状は重く」、「治りは遅い」

蚊の唾液腺物質よりも毒素が強く、また皮膚を噛み切って吸血するため、体内に注入される毒素の量も多くなります。

そのため、蚊にくらべて「かゆみ」、「痛み」、「腫れ」、「水ぶくれ」の症状は重く、しかも治りが遅いという特徴があります。個人差はありますが、人によっては治るまでに長い期間(1ヶ月ほど)かかることがあります。

そして傷口が化膿したときは「発熱」、「頭痛」、「吐き気」などがあらわれます。また、アレルギー反応が深刻な場合は、アナフィラキシーショックにかかることがあります。アナフィラキシーショックが起きるときは、刺されてから数時間以内に発症するといわれています。

虫刺されの市販薬は「ほとんど効かない」

ブヨに刺されたときの特徴を次にまとめています。

・刺されても、すぐに症状がでない
・症状は、半日~1日してあらわれる
・強烈なかゆみ、痛み、腫れ、水ぶくれの症状が起こる
・傷口が化膿すると、発熱、頭痛、吐き気が起こる
・痛みや腫れなどの治りが遅く、長期化しやすい

同じ場所にいても、刺されやすい人、刺されにくい人がいます。ブヨは人間の体温、吐く息(二酸化炭素)、体臭に反応して寄ってきます。夏は汗をかきやすいため、その匂いに反応するといわれています。吸湿性・速乾性に優れた服を着るだけでも、ブヨ対策になります。

ブヨに刺されたことが分かったら、すぐに皮膚科を受診し、治療薬を処方してもらいましょう。虫刺されの市販薬はほとんど効果がありません。アウトドアレジャーを楽しむなら、「ポイズンリムーバー」と呼ばれる毒素を吸引する専用道具をあらかじめ用意することをおすすめします。症状がかなり緩和されます。

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