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今回は『体のだるさは「急性副鼻腔炎」が原因かも?』をご紹介させて頂きます。

「黄色い鼻水」が見られたら…

副鼻腔(ふくびくう)とは、鼻の穴(鼻腔)を囲むようにある「顔のなかの空洞」です。鼻腔と副鼻腔は、「自然口」という穴を通してつながっています。副鼻腔は「前頭洞(ぜんとうどう)」、「篩骨洞(しこつどう)」、「上顎洞(じょうがくどう)」、「蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)」と4種類に分かれ、鼻を中心にして、それぞれ左右対称にあるため、鼻腔からつながる副鼻腔は、全部で8つあることになります。

「急性副鼻腔炎」は、8つある副鼻腔のなかのいずれかに炎症が起こる病気です。患者の多くは、空洞内に膿が溜まり、粘り気のある「黄色い鼻水」が出るのが特徴です。以前は、蓄膿症(ちくのうしょう)と呼ばれていましたが、膿が溜まっていなくて炎症が起きているケースがあるため、現在では「急性副鼻腔炎」と呼ばれています。

「おでこ・頬の痛み」や「だるさ」を感じる

急性副鼻腔は、症状が初期、あるいは軽度であると、鼻水・鼻づまり・咳といった風邪に似た状態があらわれます。「鼻風邪」といわれる状態です。通常の風邪とくらべて、鼻水が黄色くどろっとしています。これは、死んだ白血球や免疫細胞が鼻水に含まれるためです。

症状が進んで膿がたまると、副鼻腔が圧迫されて顔に痛みがあらわれます。特に
(1)おでこ
(2)目と目のあいだ
(3)頬とその周辺、に痛みが見られたら、症状がかなり進行していると見てよいでしょう。

前頭洞や篩骨洞などが炎症を起こしているため、顔や歯の痛みに加えて、頭全体に熱感、腫れぼったさを覚え、体が重くだるいと感じることがあります。風邪のような症状が見られるも、
(1)くしゃみが見られない
(2)鼻や口から嫌なニオイ(ドブや生ゴミのような悪臭と表現されます)がする
(3)頭が痛い
(4)だるさを感じる
というなら「急性副鼻腔炎」の疑いが持たれます。

原因は「ウイルス」や「細菌」

急性副鼻腔炎の原因の多くは、風邪などによるウイルスや細菌が、副鼻腔のなかや粘膜に感染して起こります。感染すると、副鼻腔内で炎症しながら症状の範囲が広がります。原因が細菌である場合、おもな原因菌には、肺炎球菌、インフルエンザ菌、ブドウ球菌が挙げられます。

花粉症など、アレルギー性鼻炎を持っている人は、日常的に鼻腔粘膜が弱いため、急性副鼻腔炎にかかりやすい傾向があります。また、病気、疲労、栄養不足、ストレス、などにより免疫力が低下していると発症しやすくなります。咽頭炎など喉の炎症や、虫歯、歯周病から急性副鼻腔炎に発展する可能性もあります。

早めに「耳鼻咽喉科」を受診する

急性副鼻腔炎では、黄色い鼻水を体から外に出すことが大事です。鼻をよくかむことで、鼻水といっしょに溜まった膿が排出され、早く治ります。小さな子どもは、一人で上手に鼻をかめないこともあるでしょう。「小児科」や「耳鼻咽喉科」を受診して、鼻水を吸い取ってもらいます。

副鼻腔炎のうち、症状が1ヶ月以内に解消する症状を「急性副鼻腔炎」と呼びます。しかし、症状が3ヶ月以上続くと「慢性副鼻腔炎」と診断され、長引く恐れがあります。症状が軽いうちに、できるだけ早く「耳鼻咽喉科」を受診し、医師の治療が必要です。

病院では、頭部のX線検査やCT検査による診断が行われるでしょう。鼻水を吸い出したあとに、蒸気を吸入することで、鼻の粘膜の腫れが治まり、顔や頭の痛みなど症状が緩和されます。ウイルスによる感染には特効薬がないため、十分な睡眠、安静、バランスのよい食事を心がけて抵抗力を高めることが大事です。原因が細菌の場合は、「抗菌薬」を処方してもらい服用します。

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