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今回は『脇の汗じみ、黄ばみはどうして起こるの?』をご紹介させて頂きます。

「夏のおしゃれ」も楽しめない!

春から夏にかけて気候は穏やかになり、天気のいい、過ごしやすい日が続きます。ときおり気持ちのいい風が吹いてくるなどして、爽やかな日が増えることでしょう。一方で、気温が急に上昇して、汗ばむ日もおそらく多くなります。そうなると、気になるのは「汗」です。「汗のニオイ」と「汗じみ」です。

特に、脇の下は気になるところです。お気に入りのお洋服なのに、いつのまにか、脇の部分が汗じみで黄ばんでいると、もうショックでショックで、それほど気温は暑くもないのに目のまえがクラクラしてきます。きちんと洗濯しているのに、どうして黄ばみは起こるのでしょうか。

汗じみが気になって、淡い色のブラウスやTシャツを選ぶことにためらってしまいます。そうなると、暑い夏場でも、濃いめの色ばかりで「夏のおしゃれ」を楽しむことも難しくなります。一年を通して、カラーがマンネリなのは寂しいものです。

サラサラ汗は「99%」が水分

私たちは、気温が上昇して暑くなったり、運動して体温が上がったりすると、たくさんの汗をかきます。人間は、脳をはじめとするさまざまな器官が熱に弱いため、そこで発汗をして熱を体の外に逃がしています。

汗は、皮膚にある「汗腺」という管状の線から発せられます。汗腺には「エクリン腺」と「アポクリン腺」の2種類があり、それぞれ性質が異なります。「エクリン腺」は、体全体に約200〜500万個存在し、
(1)暑いとき
(2)運動したとき
(3)辛いものを食べたとき
に、その後の体温を調節するために発汗します。エクリン腺から出る汗はサラサラで、その約99%は水分です。
ニオイもありません。運動したあとに出るさっぱりした汗は、エクリン腺から分泌される汗です。

ベタベタ汗が「ニオイ」と「しみ」を作る

一方、「アポクリン腺」は、
(1)脇の下
(2)乳首周辺
(3)耳のなか
(4)下腹部
など体の一部にある汗腺です。アポクリン腺から出る汗は乳白色で、ベタベタしています。ニオイはほとんどありません。ベタベタしているのは、約70%の水分以外に、アンモニア・脂質・糖質・たんぱく質・リポフスチンといった成分を含んでいるからです。緊張したとき、驚いたときなど、精神的な刺激によって出る汗は、おもにアポクリン腺から分泌されます。

汗はもともとニオイがほとんどありません。汗をかいてニオイが出るのは、アポクリン腺から分泌された成分をエサにする細菌(皮膚の常在菌)が繁殖して、成分を分解することで「雑菌臭」が発生して起こります。

汗じみは、アポクリン腺から出る汗に含まれる「リポフスチン」という色素が原因です。リポフスチン色素は、人種によって色が異なります。日本人のリポフスチン色素が、茶褐色や薄い黄色であることから、シャツやブラウスの脇の部分に「黄ばみ」を作ります。ちなみに欧米人のリポフスチン色素は、黒色が多いため、ときには白いTシャツが真黒になってしまう人がいるようです。

お肉を控えて「野菜」を摂る!

衣類の脇の黄ばみを防ぐには、「脇汗パッド」を使うのが効果的でしょう。脇汗パッドが、アポクリン腺から出る汗を吸収してくれるので、脇の下の汗じみや黄ばみに悩まされることはありません。最近では、脇汗シートや、あらかじめパッドが付いたインナーが、多数市販されています。その日の服装に合わせて、これらを便利に着用するのもよい考えでしょう。

さらに、汗の性質を改善するには、食生活の見直しが大事です。アポクリン腺から出る汗に含まれる脂質やたんぱく質を抑えたメニューを選ぶようにします。具体的には、肉類や乳製品などの動物性脂肪の摂取を控えめにして、ビタミンを多く含む野菜類をこれまでよりも多く摂るように心がけます。ゆっくり時間をかけながら体質を改善させて、汗じみや黄ばみを防ぐようにします。