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今回は『爪に見られる「縦シワ」はいったい何?』をご紹介させて頂きます。

爪は作る「主な成分」とは?

爪は指先を守るために、皮膚の一部が硬くなって角質化したものです。その主成分は、「ケラチン」という繊維タンパク質で、爪の根元の甘皮の下にある「爪母(そうぼ)」、あるいは「爪母基(そうぼき)」と呼ばれる部分で作られます。

爪母には、新しい爪を作るための「爪母細胞」という組織が集まっています。爪母細胞が分裂して、角化することで爪が作られます。つまり、皮膚の角質が硬くなってできたものが爪ということになります。

指によっても「伸びる早さ」は違う

健康な爪は、大人の場合で、手は1日に約0.1〜0.2mm、1ヶ月で約3〜5mm伸びます。足の爪は1日に約00.5mm、1ヶ月で約1.5mm伸びるので、手のおよそ半分です。そして、約5~6カ月で全体が生え変わります。

爪の伸び具合は、季節や栄養によっても異なりますが、指によっても伸びる速度に違いがあらわれます。よく動かす「親指」や「利き手の指」は伸びるのが早いようです。また、新陳代謝の活発な子どもは、大人より伸びる速度が早いといわれています。

爪は「皮膚の仲間」である?

爪は硬いので、骨のような存在と思っている人がいるようですが、爪は皮膚の仲間です。皮膚や髪の毛と同じように「ケラチン」というタンパク質で作られています。簡単に言うと、爪というのは古い細胞が硬くなった状態です。

爪は皮膚の仲間であるため、肌と同じように環境や刺激などにとても敏感です。したがって、
(1)ストレスがたまっている
(2)栄養のバランスが偏っている
(3)睡眠不足が続いている
(4)強い紫外線を頻繁に受けている
(5)過度の飲酒など生活習慣が乱れている
などによって、爪の美しさは損なわれることになります。

爪の不調は「乾燥」が原因!

意外にも、爪には水分が含まれています。これは爪が皮膚の一部であることをあらわしています。健康な爪は「約10~15%の水分」を含んでいます。爪の水分は、甘皮に近いところがもっとも多く、爪先にいくほどその量は少なくなっています。

爪は皮膚の一部であるため、乾燥に弱い構造をしています。水分量が著しく減少すると、肌と同じように、爪にも異常が起こります。また、加齢によって水分量が低下する「老化現象」が爪にも起こります。つまり、お顔のシワやがさつきが、乾燥肌によって生じるように、爪に見られる「縦シワ」は、乾燥と老化が原因というわけです。

お肌と同じで「毎日のケア」が大事

爪の縦シワを改善するには、お肌と同じように毎日のケアが必要です。爪に潤いを与え、乾燥しないよう手入れを行います。爪の縦シワを消そうとしてヤスリで削る人がいます。しかし、それはどうでしょう。顔のシワを気にして肌をゴシゴシ磨くことと同じです。もちろん、顔をゴシゴシするなんて、そのような人はおそらくいないでしょう。

ネイルオイル(キューティクルオイル)を使って、爪やその周囲を保湿することが何より大事です。そのあとで、ハンドクリームを塗って、爪を保護します。そして、食事・睡眠・排便など生活習慣を整えるよう心がけます。特に栄養については、タンパク質、ビタミンA・B2・E、鉄分を積極的に摂取するようにします。

日常生活では、爪の乾燥を防ぐために、
(1)水仕事はぬるめのお湯で行う
(2)手を洗ったらハンカチやタオルでよく拭きとる
(3)外出のときは紫外線に気をつける
をなるべく守りましょう。毎日のケアを続けることで、爪は徐々に潤いを取り戻し、美しい表面がよみがえることでしょう。