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今回は『乾燥対策!「シアバター」の効果とは?』をご紹介させて頂きます。

肌や髪に「うるおいを与える」保湿力!

シアバターとは、おもにガーナ、ナイジェリア、マリ、ブルキナファソなど西アフリカの地域に生息する、アカテツ科「シアの木」の種子の胚から抽出される植物性油脂です。ナッツのような香りで、常温では固形化しているため、オイルではなく「バター」と呼ばれています。「シアナッツバター」、あるいは「シア脂」と表記されることもあります。

アフリカ諸国では、食料や燃料など日常生活で使われる植物オイルです。他にも、かゆみ止め、切り傷、すり傷、やけどの治療や、日焼け止めなど、万能薬として利用されています。シアバターは、肌・髪・爪などにうるおいもたらす高い保湿力が特徴です。美容成分が豊富に含まれていることで、美容クリームとしての利用が注目を集めています。

原料は「とても貴重」な種子

シアバターの原料となる「シアの木」の実は、とても貴重なものです。それはシアの木が、樹齢約200~300年のなかで、最初の実をつけるまでに約25年の歳月がかかるためです。そしてその後も、3年に一度しか実をつけることがありません。

十分に熟れたシアの実が地面に落ちると、女性たちがそれを拾い集めます。シアの木は、神聖な木とされているため、その実に触れることができるのは女性に限られています。シアの実の果肉はアボガドに似ており、食用として使われます。実の中に含まれる種から抽出した「胚」がシアバターの原材料になります。

シアバターの「優れた」成分たち

シアバターの成分は「脂肪酸」で、そのほとんど(約85〜90%)は、「オレイン酸」と「ステアリン酸」で構成されています。オレイン酸は、肌になじみがよく浸透しやすい特徴があります。そのため、水分をしっかり肌に閉じ込めて、長時間の保湿効果と保護力を発揮します。さらに、肌を軟らかくする作用もあります。

ステアリン酸は、化粧品にもよく含まれる成分で、天然のビタミンE(トコフェロール)を多く含みます。酸化を防ぐ作用に優れ、シワの予防などエイジング効果が期待できるでしょう。その他にも、メラニンを抑制してシミを予防する「リノール酸」、ビタミンAによる美肌効果のある「パルチミン酸」などが含まれています。

シアバターの「幅広い利用」方法

固形化したシアバターは、約36度で溶けはじめます。手の平にシアバターを乗せて温めると、なめらかなクリーム状に変わります。クリーム状にしてから、フェイシャル、ハンド、ボディのケアに、そしてフットマッサージに利用します。

シアバターには、「未精製のもの」と「精製済みのもの」があります。未精製のシアバターは、クリーム色でナッツのような甘い香りが特徴です。精製済みのシアバターは、白色で、香りはほとんどありません。長期保存できるように酸化原因が取り除かれています。肌のなじみや浸透性は、未精製シアバターのほうが高いといわれています。

シアバターは天然由来の植物性油脂で安全性が高く、次のように、とても幅広い用途で使うことができます。

・フェイスケア(顔、唇、首まわり、パック、日焼け止め、クレンジング、化粧の下地など)
・ボディケア(ひざ、ひじ、かかと、脚全体、妊娠線予防、赤ちゃんのマッサージオイルなど)
・ハンドケア(ハンドマッサージ、指先の保護、あかぎれやささくれ予防、爪のつや出し、ネイルケア、など)
・ヘアケア(髪のつや出し、ドライヤー熱の保護、パサつき予防、ヘアワックスなど)