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今回は『新生児のでべそは「臍帯ヘルニア」かも?』をご紹介させて頂きます。

でべその「理由は2つ」ある

赤ちゃんで、おへそが出ている子がいます。いわゆる「でべそ」という状態です。昔であれば、「それはへその緒の切り方が悪かったからよ」と言われたものですが、切り方で、赤ちゃんが「でべそ」になることはありません。いわゆる迷信の1つでしょう。もちろん、ママに原因があるわけではありません。

赤ちゃんがでべその場合、その理由は次の2つです。

・臍突出症(へそとっしゅつしょう)
・臍帯(さいたい)ヘルニア

皮膚が余って「でべそ」になる

臍突出症は、だぶついて余った皮膚がおもてに出ている状態です。母体と胎児をつなぐへその緒は、赤ちゃんが生まれたときのその役目を終えます。切られてから約1週間ほどで、母体からの酸素や栄養などを取り込んでいた穴(臍輪)は塞がります。

そして、臍輪の周囲にあるおへその皮膚は、傷口が治るときのように縮こまり、やがておへその窪みが作られます。ところが、穴の塞がり具合が悪いと、おへその皮膚が余った状態になり、でべそになります。これが「臍突出症」です。

へその緒の「穴が塞ぎきれていない」場合

一方、臍帯ヘルニアは、臍輪がきちんと閉じきれていないことが原因です(お腹の皮膚はふさがっています)。医学的には、「臍輪閉鎖不全」と呼ばれる状態です。そして、赤ちゃんが激しく泣いたり、息んだりしたタイミングで、お腹に圧力がかかると、ときどき閉じられていない臍輪から、腸や腹膜の一部が外側に押し出されて、大きく膨らんだ状態が「臍帯ヘルニア」です。

臍帯ヘルニアは、赤ちゃんの約5〜10人に1人の割合で起こる症状です。体重1500g以下の未熟児として生まれた赤ちゃんでは発症率が約80%です。つまり、それほど発症率の高い病気です。

ほとんどは「2歳まで」に自然に治る

臍帯ヘルニアの「でべそ」を指で抑えると一時的に奥に引っ込みます。しかし、赤ちゃんが泣く、排泄するなどでお腹に力が入ると、再びでべそがあらわれます。赤ちゃんによっては、おへそがピンポン玉くらいの大きさに膨らむことがあります。心配でしょうが、それでも、お腹が破れるようなことはありません。落ち着いて、「小児科」で診察を受けましょう。

赤ちゃんの臍帯ヘルニアは、自然に治るケースがほとんどです。1歳までに約80%、2歳までに約95%の割合で自然治癒します。それまでは、特に治療することはなく、経過観察で様子をみます。そのあいだに、赤ちゃんはお腹の筋肉がついてきます。すると、次第にでべそは小さくなっていくでしょう。

治るまでの「期間を短くする」治療法

臍帯ヘルニアが治るまでは、でべそが産着などで、すれて炎症しないように注意が必要です。おへそが赤い、痛がる、かゆがる、といった様子が見られたら、医師に相談して、テープなどでおへそを保護をします。

医療機関によっては、治癒までの時間が短く目的で、「スポンジ圧迫法」をすすめます。スポンジ圧迫法は、専用のスポンジ、テープ、フィルムで、おへそを圧迫しながら固定する治療法です。入浴時以外は、いつもおへそを圧迫します。また、皮膚のたるみを防ぐ効果もあるため、「おへそがきれいになる」として近年見直されています。

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