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今回は『指先のカサカサ、「汗疱」ってなに?』をご紹介させて頂きます。

手や足に「水ぶくれ」が、たくさん出る

「汗疱」は、手のひら、手指、足の裏、足指に、いきなり身に覚えのない、約1~2mmの小さな水疱(水ぶくれ)がたくさんできる皮膚の病気です。次第に皮がむけて、その後はカサカサと手荒れの症状が見られます。一見すると、水虫に似た症状ですが、汗疱は菌による感染症ではありません。したがって、他人に感染する心配はありません。

水ぶくれが破れて、皮膚が炎症(湿疹)を起こすと、「汗疱状湿疹」という病名に変わります。これを「異汗性湿疹」とも呼ぶことがあります。汗疱状湿疹になると、激しいかゆみや痛みに悩まされることが多くなります。

水ぶくれは、特に指の側面に多くあらわれます。でき始めが「指の側面」という人がよくいます。小さな水ぶくれが、やがて隣り同士でくっつき合わさって、大豆ほどの大きさになることがあります。

「手汗をかきやすい人」は、特に注意して!!

汗疱は、汗が原因で発症します。そのため、「梅雨がはじまる初夏の季節」、そして「春先や秋口など季節の変わり目」に患者数が増える傾向があります。普段から、手のひらや足の裏に汗をかきやすい人は、4月、6月、9月は注意が必要です。

汗が原因で起こる病気ですが、詳しいメカニズムは明らかになっていません。自律神経の失調が関係しているとも言われています。また、金属アレルギーの人が多く発症していることから、アレルギー性皮膚炎の一種と考える専門家もいます。いずれにしても、手や足の裏に汗をかきやすい人が発症することは分かっています。

夏には汗を大量にかいても、汗の出口が開いているため、汗は体外に排出されます。しかし、梅雨時や春先などの季節では、汗口が閉じているため、出られない汗が皮膚のなかにとどまって、かゆみなどの症状を起こすようです。実際、夏場には、汗疱を発症する患者数は多くはありません。

水疱を見つけたら「皮膚科」に相談する

汗疱状湿疹では、患部をかきむしると「サイトカイン(かゆみ物質)」が分泌されて、かゆみはますます激しくなります。手や足に水ぶくれが発生しているのを見つけたら、早めに「皮膚科」を受診しましょう。また、水虫と勘違いして、水虫用の市販薬を使ったことで、症状が悪化ケースはよくあります。

汗疱の治療は、炎症が起きていない軽症であれば保湿剤などの薬が処方されるでしょう。
湿疹があらわれている場合は、かゆみなどの症状を抑える治療が優先されます。ステロイド外用薬やサリチル酸を使った薬物療法が一般的です。かゆみや痛みが激しい症状には、抗アレルギー薬などの服用がすすめられます。

「制汗クリーム」を塗る、などの予防が大事

汗疱は適切な治療を行えば、約2週間で完治します。ただし、再発する恐れのある病気です。再発をくり返すと、完治するまでに時間がかかるようになります。完治後は、十分な予防は大切です。

次のような「予防対策」をしっかり行います。

・手汗をかかないよう「制汗クリーム」を塗る
・界面活性剤が入っている洗剤やシャンプーは使わない
・水仕事を行うときは、ゴム手袋を使う
・かきむしらないよう爪をきれいに整えておく
・発汗しやすくなるため、たくさんの飲酒は控える

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