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今回は『ストレスが原因?「心因性頻尿」の症状と治療』をご紹介させて頂きます。

尿の回数が「8回以上」ある人は?

寒くなってくると尿意を感じやすくなり、何度もトイレに行きたくなるものです。それは、寒さで膀胱の筋肉が縮みやすくなっていることが大きな原因です。 尿の回数には個人差はありますが、成人ではだいたい1日に約5〜7回といわれています。

1日に尿を出す回数が「8回以上ある」という人は、一般的に「頻尿」と診断され、膀胱炎などの感染が心配されるでしょう。頻尿にかかる原因はさまざまですが、その多くは膀胱や尿道が病気にかかっているケースです。しかし、膀胱や尿道に問題がないのに、トイレが近いときは「心因性頻尿」という病気かもしれません。

睡眠中は頻尿の症状が出ない

心因性頻尿は、
(1)尿道や膀胱に病気の兆しが見られない
(2)尿の量が通常の範囲である
(3)尿が出る回数が増えている
といった場合に、「何か精神的な要因があるのではないか」という見方で治療にあたる病気です。

精神的な要因、つまり解決されていない心の問題が刺激になって、何度もトイレに行ってしまいます。症状は頻尿だけで、失禁にまで及ぶことはありません。精神的なものなので、眠っているあいだは排尿を心配することはなく、したがって夜間は頻尿の症状が出にくいのが「心因性頻尿」の特徴です。

トイレに行けない場面で「強い尿意」が起こる

心因性頻尿は、緊張した状態が続いて情緒が不安定になると、強い尿意に悩まされます。そして、排尿の回数が日常生活に支障が出るほどになるため、治療が必要になるでしょう。

心因性は、体の機能に異常はないため、「原因」ではなく「誘因(症状を誘い出す元)」という言われ方をします。心因性頻尿では、会社での会議中や商談中、学校での授業中やテストのあいだ、電車やバスに乗っているときなど、すぐにトイレに行けない状況で、過去に尿意を感じて辛い経験があると、その過去が誘因となって、同じような状況(トイレに行ってはいけない場面)に直面するたびに、強い尿意を感じてしまいます。そして緊張が緊張を呼ぶと、余計に尿意を感じるようになります。

さらに、「以前のように、トイレに行けなかったらどうしよう」と未来の状況を想像しただけでも、予期不安にかられて症状は悪化します。すると、外出先ではトイレを確認しないと気がすまない、知らない場所に出かけるのが怖い、つい外出を控えてしまう、など日常生活に否定的な変化があらわれてしまいがちです。

早めの対処」で克服できる

心因性頻尿は、
(1)小学校に入りたての児童
(2)10代後半〜20代の若年層
(3)40歳を過ぎて更年期に差し掛かった女性に多くみられます。
思いあたる病気もなく、頻尿に悩むようなら、「心療内科」や「精神科」を受診し、専門医に相談するとよいでしょう。

治療は、精神的アプローチによるカウンセリング治療が中心に行われます。膀胱の過敏性を抑える薬物治療を併用することもあります。「尿意を感じても、すぐにトイレに行かない」という膀胱訓練をくり返すことで、心因性頻尿が改善した例はいくつもあります。

心因性頻尿は、病気ではないため、適切な対応で克服できる症状です。放置して重症化しないうちに、早めの対処が大事です。

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