異常が見つからない病気「機能性ディスペプシア」とは?

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今回は『異常が見つからない病気「機能性ディスペプシア」とは?』をご紹介させて頂きます。

原因の「分からない」胃の痛み

胃の痛み、胃もたれ、胸やけ、吐き気、執拗なげっぷなど、お腹の症状が慢性的に続いているのは本当につらいものです。それに、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんなど重い病気を心配して、不安にかられることでしょう。

ところが、病院を訪れて、内視鏡検査などの検査を行ってみると「特に異常は見つかりません」という報告を受けることがあります。じゃあ、このお腹の痛みはなに? 以前ならストレス性胃炎と判断されることが多くありましたが、近年では、「機能性ディスペプシア(別名、FD:Functional Dyspepsia )」と診断されるでしょう。

「ストレスだけでない」胃痛や胃もたれ

腹痛など、実際に症状があっても、異常所見(病気につながるような原因)が認められないことは案外あります。機能性ディスペプシアは、自覚症状があっても、医師がそれを病気として説明できるだけの異常が、検査などで見つけられない場合の共通的な考え方です。

機能性ディスペプシアは、以前なら原因の多くは「ストレスではないでしょうか」と挙げられていた病気です。ところが、近年になって、心身や神経だけに限らず、生活習慣、機能障害、細菌など複数の要素が関係していると考えることで、その治療にも新たな幅が見られるようになっています。

4つの症状が「1つでも」続くなら

機能性ディスペプシアは、
(1)食事を始めてすぐに満腹になる(早期飽満感)
(2)少量の食事でも、胃腸が膨らみ圧迫されているような張りを感じる
(3)みぞおちのあたりが強く痛む(心窩部痛)
(4)みぞおちに焼けるような灼熱感や不快感がある(心窩部灼熱感)
といった症状の1つ以上が、2〜3ヶ月続くのが特徴です。

年齢を問わず発症し、若い世代では、痛みが出る症状が多く、中高年世代では早期膨満感や胃もたれが多くみられます。

生命に関わる大きな病気ではない

機能性ディスペプシアは、症状が慢性的に続くことで、日常での生活の質(QOL:Quality of Life)に影響することは明らかです。しかし、生命に関わる大きな病気ではありません。

病院では、症状だけで、機能性ディスペプシアを診断することはまずありません。内視鏡検査や腹部超音波検査などを行うのは、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんなど重い病気でないことを確認するためです。そのうえで、機能性ディスペプシアであるかどうかを医師は慎重に判断します。

「2つの症状」によって引き起こされる

機能性ディスペプシアは、現在まではっきりした原因が明らかになっていません。今のところ、
(1)不規則な生活
(2)乱れた食生活
(3)ストレス
(4)ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ菌)
(5)胃酸過多(胃酸の出過ぎ)
によって自律神経が乱れ、次の2つの症状が引き起こされ、機能性ディスペプシアは、発症すると考えられています。

<胃運動機能異常>
胃の働きが悪く、摂取した食べ物を、
(1)胃の中にとどめることができなくなってしまう状態か、もしくは
(2)十二指腸にうまく送ることができずに食べ物が胃に残ってしまう状態です。
1では早期飽満感が起こり、2では胃もたれの原因となります。

<内臓知覚過敏>
少しの食べ物が入ってきただけのわずかな刺激でも、胃が痛みを感じるようになっている状態です。普通の食事量でも、痛みを起こしやすくなり、そして正常な胃酸の分泌でも、胃酸に対して過剰な反応が起こり、胃痛を感じます。みぞおちの痛みや灼熱感を引き起こします。

治療は「市販薬だけに頼らない」ことが大事

日本人の10人に1人は「機能性ディスペプシア」にかかっているといいます。機能性ディスペプシアは、胃痛や胃もたれが頻繁に起こることから、市販薬で対処しよう(あるいは、対処できる)と考える人がいます。しかし、市販薬で一時的に症状が改善されても、内臓の機能が回復しているとは限りません。

機能性ディスペプシアの治療には、生活習慣や食事を改善することが大事です。早めに内科を受診し、医師の指示にしたがった治療を始めましょう。

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