今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け!
今回は『お肌のコゲを防ぐには(糖化をもっと知ろう)!』をご紹介させて頂きます。

お肌をこがす「糖化反応」

お肌の「コゲ」とは、言葉のとおり、こんがり焼けたパンのように、お肌の表面が茶色に変化してしまう状態をいいます。もともと、コラーゲンやケラチンといった角質は透明です。それが、「糖化」することによって黄色や茶褐色に変わり、やがてはお肌のくすみ、老化を招きます。

これは「糖化反応(メイラード反応)」という現象です。食品化学ではよく知られた現象で、デミグラスソース、コーヒー豆の焙煎、黒ビール、味噌、醤油などに見られる褐色は、糖化反応によって起こっています。

食品の調理では、糖とタンパク質(アミノ酸)が加熱されることで糖化反応が起こり、褐色物質(メラノイジン)を生み出します。この褐色物質が、お料理に「焼き色」や「香ばしさ」をもたらしています。

老化を進める「原因物質」が作られる

糖化反応は、人間の体にも起こっています。「還元糖」と「タンパク質」が自然と結合して起こる、あまり望ましくない化学反応です。還元糖とは、グルコース(ブドウ糖)やフルクトース(果糖)など、自らが酸化する性質を持つ糖類です。

人間の体のほとんどは、タンパク質で作られています。体のなかのタンパク質が還元糖と結びつくと、「糖化タンパク質」に変化し、最終的には「AGEs(Advanced Glycation End products)」と呼ばれる老廃物を作り出します。

AGEsは「終末糖化産物」とも呼ばれ、強い毒性を持ちながら、肌・脳・血管組織などの老化を進める物質です。動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞、白内障、骨粗鬆症、関節リウマチ、アルツハイマー病、などの病気を引き起こすとされています。

たるみ、くすみ、シミの「原因」は、糖化なの?

体の「弾力」や「しなやかさ」を生み出すタンパク質といえば、「コラーゲン」と「エラスチン」です。コラーゲンは、体のなかの約40%の量が皮膚に集まり、肌のハリや弾力を作る働きをしています。エラスチンは、線維状のタンパク質で、コラーゲン同士を結びつけてお肌のキメを整えています。

コラーゲンやエラスチンなどのタンパク質は、糖化すると、途端にしなやかさをなくし、固くなってハリを失い、「たるみ」が生じます。そして、糖化タンパク質が褐色に変化し、次第に蓄積されることで、お肌の透明感は損なわれ「くすみ」の原因となります。

また、糖化タンパク質は、一旦変性されると分解されにくい特徴を持っています。そのため、お肌のターンオーバー(生まれ変わり)は緩やかになり、古い表皮のままメラニンの排出が行われずに「シミ」を作ることになります。

効果的な「2つ」の対策

糖化反応は、体に余分な糖質が、タンパク質と結合することで起こります。その場合、糖質とタンパク質が出会うことで、自然に反応されるものです。

したがって、お肌の糖化を防ぐには、糖質とタンパク質が出会う機会を、できるだけ減らすことが大事です。その対策には、
(1)高血糖状態を控える
(2)急激な血糖値の上昇を防ぐ
2つが効果的です。どちらも、食事内容や食べ方の見直しが必要です。

食べる順番を「変えるだけ」でも、効果が抜群

高血糖状態を控えるには、炭水化物や甘いものを制限します。人間は糖質を摂取することでエネルギーを作っているので、糖質を一切摂取しない生活はおすすめできません。まずは、今よりも少し、白米・麺類・パン・菓子類の量を減らすことで、効果を実感しましょう。

また、食事の際に食べる順番を変えることでも、糖化反応の防止につながります。急激な血糖値の上昇を防ぐために、「野菜から先に食べる」という方法です。これは血糖値がゆるやかに上昇することで、糖化タンパク質を作らせない対策としては、たいへんに有効です。

▶︎医師が薦める「美容皮膚科」の名医情報なら【名医ログ】