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今回は『うたた寝で突然ビクッ!となる「ジャーキング 」の原因』をご紹介させて頂きます。

電車の中で「ビクッ」は恥ずかしい

疲れているとき、寝不足のとき、天気がよくて温かい午後、お腹いっぱい食べてしまったあと、つい気持ちよくウトウトしているときに、突然に体がひきつけのように「ビクッ!」となって、慌てて飛び起きた経験はないでしょうか。

それが電車の中だったりすると、周囲の目に恥ずかしい思いをします。ビクッと動いた腕や足が人にぶつかっていたりすると、気まずい空気になるものです。この「ビクッ!」は、「ジャーキング」という現象で、眠りに入るときに起こる筋肉の痙攣(けいれん)です(ちゃんと名前が付いていたことに驚きます)。

ジャーキングは「生理現象」の1つ

ジャーキングは、自分の意思とは関係なく(無意識に)、体が勝手に動いてしまう現象です。これは「不随意運動」と呼ばれるもので、あらゆる年齢層の誰にでも起こる生理現象の1つです。人間だけでなく、犬や猫にも起こります。

ジャーキングのほとんどは1回だけに限りますが、ときには連続して起こることがあります。ジャーキングによる筋肉の痙攣は短く、およそ0.25秒といわれています。症状が起こったときに共通して体験するのは、突発的に体に電気が走ったように感覚や、どこか高いところから落下したような感じです。フラッシュのような閃光を感じるという人もいるようです。

脳が「まちがった指令」を出したから?

ジャーキングの詳しい原因は、今のところ明らかになっていません。考えられるメカニズムとしては、脳のまちがった指示が挙げられます。

人間は、覚醒から睡眠に入るちょうど境目にいるとき、脳は休息を求めて緊張から解放されようとします。そのわずかな時間は、脳が不安定な(混乱した)状態になりやすく、体に向けて「誤作動(誤った指令)」を出すことがあります。

ジャーキングは、混乱した脳が「筋肉を急激に収縮させる」というまちがった指令を出したことで、腕や足が痙攣のように動くのではないか、と考えられています。そしてどういうわけか、脳が解放されて緩む瞬間を、私たちの脳は「高いところから落下している」と感じるようです。

「不自然な寝方」をすると起こりやすい

ジャーキングは、疲れがひどく体にたまっている状態で、さらに体に負荷がかかる不自然な寝方を長時間したとき、例えば、椅子に座ったままで寝る、ソファに横たわり窮屈な体勢で寝る、などでは起こりやすいことが分かっています。

他には、眠りにつく直前に大きな物音を聞く、近くで話しかけられるなども、ジャーキングが起こりやすい状態にあるようです。

ジャーキングが「頻繁に起こる」ようなら

ジャーキングは、健康を害する現象ではありませんが、「ビクッ」という似たような症状があまりにも頻繁に起こるようなら、「周期性四肢運動障害(PLMD:Periodic Limb Movement Disorder)」など他の病気の疑いもあります。

周期性四肢運動障害は、睡眠中に足がピクピク動くなどの異常な動作が周期的に起こる睡眠障害の1つです。ジャーキングの起こる回数が多く、他人から指摘される人、あるいは自分で気になる人は、なるべく早めに「心療内科」や「神経科」の医師に相談するのがよいでしょう。

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