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今回は『「こむら返り」の原因はマグネシウム不足?』をご紹介させて頂きます。

ふくらはぎが「つりやすい」人は…

こむら返りの「こむら」とは、ふくらはぎのことを指します。古くは「こぶら」と呼ばれていたものが、年月を経ることで濁点がとれて「こむら」に変化したようです。こむら返りは、ふくらはぎの筋肉がいきなり収縮して、足が「つる(痙攣する)」状態になることです(痙攣(けいれん)の「攣」は、「攣る(つる)」という字です)。

他にも、太もも、足首、土踏まず、首、肩などの筋肉でもこむら返りは起こりますが、「ふくらはぎ」で起こることが多いことから「腓腹筋痙攣(ひふくきんけいれん)」とも呼ばれます(ふくらはぎ以外の筋肉の痙攣でも、”こむら”返りと呼ぶのはおかしな感じもしますが)。

原因は「栄養の偏り」にある

こむら返りがわりとよく起こるという人は、栄養不足が考えられます。近年は、食事の西洋化が進んだこともあり、カロリーの高い食品を摂取する生活が習慣化している人が多くいます。栄養の偏りが、体のさまざまな箇所に良くない結果を起こしています。

現代人はミネラル、なかでも「マグネシウム」の欠乏は、私たちが思っている以上に深刻です。カルシウム不足を認めている人は多くいますが、マグネシウム不足については理解が浸透していないようです。

積極的に「食べ物から」摂取すること

マグネシウム不足は、足など筋肉の異常収縮に影響します。マグネシウムは、エネルギー代謝をはじめ、筋肉の収縮、血圧の調整、体温の調整,血糖値の調整などの働きを担う大事な栄養素です。

食べ物から摂取したマグネシウムは、ふだんは骨に貯蔵されています。そして不足がちになると、骨からマグネシウムを取り出して、体は常にマグネシウムの量を一定に保とうとします。これはカルシウムと同じ働きです。

しかし、 マグネシウムは骨から取り出す働きがカルシウムにくらべて弱いという特徴があります。そのため、マグネシウムを毎日の食事から積極的に摂っていかないと、すぐに体はマグネシウム不足になってしまうのです。その兆候が「こむら返り」としてあらわれます。

マグネシウム不足は「心臓病」にもつながる

こむら返りが頻繁に起こるということは、マグネシウムの不足が主な原因ですが、慢性的なマグネシウム不足は、筋肉の痙攣から、
(1)体のだるさ
(2)疲れやすさ
(3)不眠
(4)不整脈
(5)食欲低下
(6)記憶障害
などを引き起こし、やがて心臓病、脳卒中、高血圧、神経炎、糖尿病といって大きな病気の疑いも心配されます。

日常的に、ファーストフード、インスタント食品、レトルト食品が多い生活の人は注意が必要です。私たちのマグネシウム不足が進む大きな理由は、日本人の和食離れが原因の1つです。体に良いとして、和食の人気は世界的な広がりを見せていますが、逆に日本では食事の欧米化によって生活習慣病など栄養の偏りが増えているのは、何とも皮肉なものです。

ご飯の朝食

1日に1食は「一汁三菜」を

マグネシウムは、豆類、海藻、野菜、魚介類に多く含まれています。したがって、豆や魚、野菜を多く使う和食は、マグネシウムを定期的に摂取できる献立が、自然と作りやすくなります。1日うち1食は和食、つまり「一汁三菜」を心がけるとよいでしょう。

マグネシウム不足を解消し、なおかつ日常的な食べやすさを考えると、豆腐、枝豆、山芋、しょうが、オクラ、ごぼう、春菊、しらす干し、あさり、ワカメ、あおさ、ひじきがおすすめです。

間食を摂るときは、アーモンド、カシューナッツなどの「ナッツ類」はマグネシウムを含んでいるため食べると効果的です。こうしてみると、和食は日本人の体に合った食事であることがよく分かります。