「健忘症」と「認知症」の違い!

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今回は『「健忘症」と「認知症」の違い!』をご紹介させて頂きます。

物忘れは「40代から」はじまる

私たちの脳にある神経細胞は、大脳でおよそ数100億個、小脳では約1000億個あるといわれ、その1つ1つが電気信号によって情報をやり取りしています。頭の働き、つまり知能は、多くの神経細胞が支えています。

私たち人間の知能は大きく分けて2つあり、知識、知恵、判断力など、経験とともに蓄積される「結晶性知能」は、年齢とともに伸びて約60歳にピークを迎えるといわれています。

一方、計算力や暗記力などの「流動性知能」は、およそ18~25歳がピークで、そのあとはゆっくり落ちて、40代以降になると急に低下します。

脳の機能の老化が始まり、気がつくと「物忘れ」が多くなっていると感じるのも40代後半からです。これは加齢に伴う自然なもので、認知症とは違う症状です。

忘れたのを覚えているのが「健忘症」

人間の記憶は
(1)覚える
(2)蓄える
(3)思い出す
の3つの段階からなっています。年齢を重ねていくと、3つめの「思い出す」機能が低下し、覚えて蓄えたものを思い出すまでに時間がかかるようになります。これが「物忘れ」という状態です。一般的には「健忘症」という名前がつけられています。

40代を過ぎたあたりから、多くの人が次のようなことを日常生活でいくつか経験します。

・顔を分かるのに、この人の「名前」が思い出せない
・スーパーから戻って「買い忘れたモノ」に気づく
・うっかり「約束」をすっぽかしてしまった
・財布を「どこにしまったか」すぐに思い出せない

加齢による健康な人の健忘症は、自分が「忘れたこと」を自覚しているのが特徴です。したがって、「最近、物忘れが増えたわ」と思う人は「健忘症」といえるでしょう。

忘れた事実を忘れているのが「認知症

認知症は、「自分が忘れた事実そのもの」が分かっていない、思い出せない、忘れてしまっている状態が日常的に起こるのが特徴です。朝食を食べたのに、忘れてまた食べようとする、家族の名前が分からない、自分の住んでいる家が思い出せない、などの状態が「認知症」です。「痴呆症」と呼ぶこともありますが、医療現場では、厚生労働省によって「認知症」に統一されています。

健忘症の原因が老化であるのに対して、認知症は病気によって症状が起こります。忘れていることへの自覚がないため、本人や家族の日常生活にまで大きな支障がでます。

周囲の人が「初期症状」に気づいてあげる

認知症の人は、自覚がないため周囲の人が、その初期症状に気づいてあげることが大事です。次に挙げるような兆候がいくつか見られたときは、認知症の可能性を疑いましょう。

・日付や曜日が分からない
・買い物で小銭があるのにお札ばかり出す
・長年の趣味をやめた
・物忘れがひどい上に怒りっぽくなった
・失敗を人のせいにするようになった
・眠れない、寝つきが悪い日が多い
・ものの匂いがうまく感じられない

そして、認知症の初期で起きやすいのが「被害妄想」です。特に、自分が大事にしているものを誰か(家族など)に盗られたと他人に訴える「物盗られ妄想」は、認知症のはじめに多く見られる兆候です。

65歳以上の「約15%」が認知症

認知症は、大きく()アルツハイマー型認知症、()脳血管型認知症、()レビー小体型認知症に分類され、このうち認知症患者の約60%は「アルツハイマー型認知症」です。認知症は、記憶障害からはじまり、睡眠障害、感情障害(不安感や無気力など)、抗うつ、幻覚、妄想、徘徊と症状が広がるのが特徴です。

現在、65歳以上の高齢者のうち、初期症状も含めて認知症を発症している人は約15%と推計されています。厚生労働省によると、2025年の認知症患者は、現状の約1.5倍で約700万人を超えるとの推計が発表されています。

認知症は、兆候に早く気づき、対策を行うことがとても大切です。神経内科、精神科、心療内科、脳外科などの専門医に相談するとよいでしょう。

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