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今回は『お肌に効く「レモンパックは「シミ」の原因? マルガリータ皮膚炎とは?』をご紹介させて頂きます。

なぜ、「レモンパック」のスキンケアは見かけないのか?

女性のお肌に関する科学技術は、ものすごいスピードで進んでいるようです。それにともないお肌のお手入れに対する「流行」は、数年ごとに変わってきています。

1990年代後半に「美白」という言葉が流行しました。同じ時期に、自然植物を使った美容パックが「美白に効く」として雑誌などのメディアで紹介されていました。当時は、顔のうえに輪切りにしたレモンやライムを貼るモデルさんの姿をよく目にしたものです。トレンディドラマでも、帰宅した女性がレモンパックをするシーンが描かれていました。

レモンやライムにはビタミンが豊富ですし、自然植物を使った美容パックなら、効果がありそうな感じがします。ところが、レモンパックによるスキンケアを最近は耳にしません。どうしてでしょう。思わぬところで、シミの原因になることが分かったからです。

「強酸性」のレモンが肌を溶かす

人間は生まれたときは肌が中性ですが、成長するにともない酸性に変わります。殺菌作用を働かせるためです。デリケートな肌を守るため、皮膚は「弱酸性」に保つ仕組みになっています。

酸性やアルカリ性の程度をあらわすには、「pH」という値を使います。pH値は、酸性とアルカリ性の度合を0~14までの数字で示したものです。7が中性で、それより小さい値を酸性、大きい値をアルカリ性と分類します。

人間の肌の表面にある「皮脂膜」は、肌を保護するための薄いベールのようなものです。お肌のpHとは、皮脂膜のpHを示し、健康な皮膚のpHは4.5~6.0の「弱酸性」です。

しかし、レモンはpH2.5~3.0「強酸性」です。レモン果汁を肌につけたまましばらく放置すると、肌がヒリヒリと傷みはじめるのはそのためです。これは強酸性のレモン果汁が弱酸性の人間の皮膚の角質を溶かしているからです。

症状は「やけどのような」強い痛み

レモンやライムの汁が肌に付着したままで日光に当たると、
(1)肌がやけどの水ぶくれのようになり
(2)焼けるような強い痛みを感じる皮膚炎になる恐れがあります。
これは「マルガリータ皮膚炎」という症状です。

レモン果汁が角質を溶かすことで、肌のバリア機能が失われ、紫外線の影響をまともに受けてしまうことで起こります。さらに、レモンに含まれる「ソラレン(光毒性物質)」という成分が、紫外線の感受性を高めるため、シミの原因になるのです。

レモンやライムの「ほかにも」起こる

マルガリータ皮膚炎は、レモンやライムのほかにも、オレンジ、グレープフルーツ、キュウリ、三つ葉、しそ、セロリ、パセリ、イチジク、キウイ、アセロラ、クロレラでも発症する可能性があります。

めったにないことですが、キャンプなど屋外でレモンやライムをしぼったり、調理したりした場合は、すぐに水で手などを洗いながしましょう。

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