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今回は『かかとの皮膚が硬くなる「角化症」とは?』をご紹介させて頂きます。

かかとのカチカチは「角化症」かも?

女性が抱える足の肌トラブルで、特に夏に向けて悩ましいのは「かかと」のカチカチではないでしょうか。あまり人に見られたくないし、それに放っておくと、ガサガサに乾燥してひび割れることもあり、素足でサンダルを履くのが悲しくなりそうです。

これは「角化症」と呼ばれる疾患です。古い角質が皮膚表面に残っていると、歩行や紫外線など外からの刺激に、体の内部を保護しようとして、かかとの角質は厚く硬くなっていきます。さらに、角質が厚くなりすぎると、水分がいき渡らなくなり、皮膚は乾燥が進んで荒れたり、ひび割れたりしてしまいます。

私たちの皮膚は「3層」構造

私たちの皮膚は、外側から(1)表皮、(2)真皮、(3)皮下組織という3つから構成されています。3層を組み合わせることで、外的からの衝撃や刺激から体を守っています。

角化症が起こるのは、表皮の一番外側(皮膚の表面)の「角質層」です。角質層は約0.02㎜の厚さのなかに「角質細胞」がレンガ状に10~20層積み重なり、外部からの水分の侵入を防ぎ、さらに内部の水分が蒸発するのを防ぐという役割を担っています。

角化症は、どう「はじまる」のか?

人間の肌は、表皮の基底層(いちばん底にある層)で作られた細胞が、約28日かけて表面に押し上げられ、最後は「アカ」となって自然にはがれ落ちる仕組みによって、新陳代謝が行われています。この仕組み(サイクル)を「ターンオーバー」といいます。

ターンオーバーが繰り返されることで、お肌は生まれ変わっています。ところが、
(1)加齢
(2)乾燥
(3)疲労
(4)ストレス
などによってターンオーバーが乱れると、古い角質が剥がれ落ちるまえに新しい角質が重なり、だんだんと硬くなってしまいます。その現象が「角化症」のはじまりです。

気になったら「皮膚科」に相談

かかとのガサガサがひどく、ひび割れを見つけたら、まず保湿クリームを塗って様子をみます。数日たっても改善しないときは、皮膚科を受診するとよいでしょう。症状に合わせた「塗り薬」や末梢神経の冷えを防ぎ、血行を促進する「内服薬」が処方されるでしょう。

日常生活では、塗り薬を正しく続けることと、水分と油分の補給を心がけます。入浴中に、軽石やフットケア専用のヤスリで擦る人もいますが、やり過ぎは禁物です。体が防御機能を発揮して、かかとの皮膚はかえって厚くなります。表面の角質だけを、やさしく一方向に向かって削ります。削ったあとは、しっかりと保湿クリームを塗りましょう。

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