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今回は『「うつる結膜炎」と「うつらない結膜炎」どう違うの?』をご紹介させて頂きます。

たいへん「目ヤニ」がびっしり!!

朝起きて、子どもの目に「目ヤニ」がびっしりついていると「結膜炎」を心配するでしょう。 目の充血、まぶたの赤い腫れ、かゆみがあれば、その可能性は高くなります。

結膜炎は、「結膜」と呼ばれる、まぶたの裏側と白目をおおう粘膜が炎症を起こす病気です。結膜の炎症でも、原因によって病気の種類があり、症状も違います。

そのまま放置して自然に治るくらい軽い結膜炎もあれば、幼稚園や学校を1週間ほど休ませなければならない結膜炎もあります。特に「うつる結膜炎」のときは、治療だけでなく、医師の指示にしたがって二次感染の予防が必要です。

結膜炎には「3つの種類」がある!

結膜炎のことを「はやり目」という呼び方がありますが、これはすべての結膜炎を指す言葉ではありません。なぜなら、結膜炎は人に感染するものと、感染しないものがあるからです。結膜炎は、その原因によって次の3つに分類されます。

・細菌性結膜炎
・ウイルス性結膜炎
・アレルギー性結膜炎

3つのなかで、「人にうつる(感染性がある)」ものは、「細菌性結膜炎」と「ウイルス性結膜炎」です。

ドロッとした目ヤニの「細菌性結膜炎」

インフルエンザ菌、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌など、身近に存在する細菌に感染することで起こる結膜炎です。原因となる細菌は、健康な人でも、のど、鼻、皮膚、手指、毛髪、腸管などにも分布しています。体内に存在する菌であるため、感染力は弱いのが特徴です。

しかし、風邪や疲労などによって抵抗力が低下した体には、十分な感染力を発揮するでしょう。特に、体調を崩しているときの「子ども」と、病気療養中の「高齢者」には注意が必要です。

その症状は、黄色っぽくドロッとした粘着質のある目ヤニが多くでて、白目の充血があらわれます。症状が進行すると、視力が低下する怖れがあります。

集団感染が心配な「ウイルス性結膜炎」

ウイルスに感染することで発症する結膜炎です。アデノウイルス、エンテロウイルス、ヘルペスウイルスなどのウイルスの感染により、結膜が充血し、目やにが出たり、涙が自然に出て、ゴロゴロした目の痛みが出てきます。

原因のウイルスによって、
(1)流行性角結膜炎
(2)咽頭結膜熱
(3)急性出血性結膜炎に分類されます。
いずれも強い感染力が特徴です。人から人へのうつりやすいため、家族内感染や保育園・幼稚園・学校内の集団感染が心配されます。

ウイルス性結膜炎は、学校保健安全法で定められた「学校伝染病(学校において予防すべき感染症)」に指定されている病気です。発症したときは、医師の判断がでるまで保育園・幼稚園・学校はお休みします。「はやり目」と呼ばれる結膜炎は、アデノウイルスが原因で起こる流行性角結膜炎をいいます。

サラサラ目ヤニの「アレルギー性結膜炎」

花粉やハウスダストなどのアレルゲン(アレルギー反応を引き起こす物質)が目の表面に付着して発症する結膜炎です。

花粉のように春や秋など特定の季節にだけ症状があらわれるタイプを「季節性アレルギー性結膜炎」、一方、ハウスダストのように、季節に関係なく年中発症するタイプは「通年性アレルギー性結膜炎」といいます。

どちらも、人に感染することはありません。涙のようにサラサラした水状の目ヤニが出るのが特徴です。他にも、目のかゆみ、充血、異物感が見られるでしょう。まぶたの裏にブツブツがでるきことがあります。

人によってアレルギー反応を起こす物質が異なるため、予防するにはアレルゲンを特定することが必要です。

予防は「手洗い・うがい」をしっかり

ドロッとした目ヤニがでる、目ヤニの量が多い、まぶたが赤く腫れているなどの症状がみられたら、すみやかに眼科を受診しましょう。結膜炎の種類によっては、家庭内の二次感染を防ぐために、ドアノブ、タオル、布団、洗面用具などの除菌を始めなければなりません。

うつる結膜炎の予防は、「手洗い」と「うがい」を心がけることです。外から帰ったら、すぐに行う習慣をつけましょう。

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