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今回は『タングスクレーパーで、きれいに「舌磨き」!』をご紹介させて頂きます。

気になる「舌の白い汚れ」

朝起きたときに、鏡で舌を見るとネバネバした「白い汚れ」が付着していることがあります。ピンクの舌にうっすらと乗っていることもあれば、びっしりと厚くこびりついているようなこともあるでしょう。

これは「舌苔(ぜったい)」と呼ばれるもので、おもに前日に飲んだり食べたりして体内に入ったものがきちんと消化されないと、未消化物として、翌朝、舌の上に出ます。

舌苔はそのまま放置していると、口臭や病気の原因となります。舌苔の成分はさまざまで、未消化物のほかにも、口内からはがれ落ちた粘膜細胞、白血球などの垢などが混ざり合った塊りです。

舌磨きは「体の中をきれいにする」デトックス

舌苔は放置さいたまま時間が経つと、体内に入り、血管やリンパ管など内側にこびりつき、流れを阻害して、やがて、さまざまな病気を作ってしまいます。それを防ぐために、体は自らきれいにしようと、私たちが寝ているときに「舌苔」を舌のうえに押し出します。つまり舌苔を取り除くことは、体の毒素を減らす「デトックス」効果につながります。

舌苔は「舌の表面」だけでなく、舌の表面にたくさんある「舌乳頭」とよばれる細かな小突起のあいだに付着しています。舌乳頭には、味蕾(みらい)と呼ばれる食べ物の味を感じる小さな器官が約1万個も存在しています。そのため、舌苔が多くなると、味覚の異常が起こることがあります。

原因は「免疫力」と「消化力」の低下

舌の白い汚れが気になると、つい歯ブラシでゴシゴシ磨いて取り除きたくなるものですが、これは絶対にしてはいけない行為です。歯ブラシの先端が、「味蕾」を壊し、味覚のセンサーの働きが低下してしまいます。

舌苔が付着するのは、
(1)風邪などによる免疫力の低下や
(2)胃腸の働きが弱く「消化力」が落ちていることが大きな原因です。
特に胃腸の調子は、そのまま舌の上の苔となって反映されます。風邪などで内臓の働きが弱いとき、疲れて食欲がないとき、前日の夕食が重かったときなどは、消化されなかったものが老廃物として、翌朝、舌の上にあらわれます。

いつもより舌苔の量が多いと感じた日には、脂っこい食事を控える、食事の量を減らすなどの調節をして胃を休めることが大事です。

舌磨き専用の「タングスクレーパー」とは?

歯磨きと同じように、舌も毎朝磨いてあげましょう。舌のお掃除をすると、すっきりとさわやかに1日を過ごすことができます。

「タングスクレーパー(タンクリーナーという呼び名もあります)」という、薄い板状の金属をU字型にラウンドした道具を使います。これは舌をお掃除する専用に作られた「金属製のヘラ」です。インターネットで検索すると手に入ります。

タングスクレーパーは、U字の端を両手で持って、力を入れず静かに、舌の奥から手前に削ぐように使います。味蕾を傷つけないよう、スーッと動かします。習慣化して続けると、味覚にも変化があらわれます。食べ物の味の繊細な部分までわかり、今まで以上においしく感じられるでしょう。