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今回は『「オリゴ糖入りヨーグルトの「オリゴ糖」ってなに?』をご紹介させて頂きます。

オリゴは「少ない」という意味

ヨーグルト、プリン、清涼飲料水、ビスケット、キャンディーなど「オリゴ糖入り」とパッケージに書かれた商品を、だいぶ見かけるようになりました。健康食品にも含まれることも多く、「オリゴ糖 = 体にいい」というイメージが世間で広まっているようです。また、カロリーが砂糖にくらべて低いため、女性からの注目が集まっています。

ですが、そもそも「オリゴ糖」とはなんでしょう。現在、オリゴ糖は腸内環境を整える効果が注目され、特定保健用食品(トクホ)をはじめ多くの健康食品に配合されています。お腹にいいなどの効果は知っていても、オリゴ糖がどんなものかは案外知られていないようです。

オリゴ糖は「3つ以上の糖」でできた糖

オリゴ糖は、整腸作用などさまざまな健康効果が期待される「天然由来」の糖類の一種です。オリゴとはギリシャ語で「少ない」を意味し、オリゴ糖は「少糖類」とも呼ばれます。糖類はオリゴ糖を含め、大きさによって、おもに次の4つに分類されます。

◆<単糖類>
ブドウ糖や果糖などそれ以上分解できない1つの糖分子からできている糖。果物やハチミツに含まれる。

◆<二糖類>
2つの糖からできている糖。砂糖、水飴などに含まれ甘みが強い。

◆<少糖類>
明確な定義はなく、一般的に単糖が2~20個ほどつながった糖類。一般的には3つ以上の糖が結びついたものを少糖類(オリゴ糖)と呼ぶ場合が多い。

◆<多糖類>
多くの糖と食物繊維が結合してできた糖類。白米、芋類、豆類などに含まれる。

美肌、便秘、虫歯などに効果

オリゴ糖は、ビフィズス菌を増殖させる研究の過程で、注目された物質です。オリゴ糖には、大腸でビフィズス菌など「善玉菌」のエサとなって、ビフィズス菌などを増やす性質があります。すると、腸内の細菌バランスは、善玉菌が優勢になり、腸内環境が整えられるというわけです。

そのため、お腹の調子の悪い人、便秘の人、肥満気味の人にはおすすめです。他にも次のような効果が期待できます。

◆<美肌効果>
腸内に悪玉菌が増えると毒素が溜まり、お肌の新陳代謝が低下し、活性酸素が発生します。すると、シミ、シワ、肌荒れが起こりやすくなります。オリゴ糖は腸内の環境を改善し、善玉菌が増えることで、肌荒れを防ぎ、美肌効果が期待できます。

◆<虫歯になりにくい>
虫歯の原因菌である「ミュータンス」は、糖質を栄養分として消化することで酸を出します。この酸が歯の表面を溶かし、虫歯の原因となります。オリゴ糖はミュータンスによって消化されにくい(栄養として利用しない)ため、摂取しても虫歯になりにくい特徴がります。

「消化されにくい」ものがオススメ!

オリゴ糖の種類はおよそ20種類といわれています。健康効果を考えるのであれば、そのなかでも胃や小腸で消化されにくい「難消化性」の性質を持つオリゴ糖がおすすめです。

次に挙げるような、難消化性のオリゴ糖は、消化されることなく大腸まで届き、腸内環境を正常化する働きが期待できます。

◆<フラクトオリゴ糖>

玉ネギ、ゴボウ、ニンニク、アスパラガスなどに含まれる「ショ糖」を原料に、1~3個の果糖が結合したオリゴ糖です。ビフィズス菌の増殖を促進し腸内環境を改善する作用が期待できます。

砂糖の約60%の甘味で、カロリーが低いため、女性に人気の健康食品などに使われます。虫歯になりにくい甘味料としても知られています。

◆<イソマルトオリゴ糖>

グルコース(ブドウ糖)が3~7個つながって構成されたオリゴ糖です。砂糖の約50%の甘さで、まろやかでコクのある甘味が特徴です。腸内環境を整える、免疫力を高める、といった効果が期待できます。

熱や酸に強く、防腐作用があるため、保存食に用いられることがあります。ハチミツ、味噌、しょうゆ、お酒などに含まれます。

◆<ガラクトオリゴ糖>

乳製品などに含まれる単糖のガラクトースを主成分に、2~6個の糖が結合したオリゴ糖です。消化酵素に消化されにくく低カロリーですが、甘味は少なく、砂糖の約25~40%しかありません。

ビフィズス菌の増殖を促し、腸内環境を整える効果があります。また、タンパク質の消化・吸収をサポートし、便秘や下痢の改善に働きます。熱や酸に強く、調理や保存によって、壊れたり変化することが少ないため、さまざまな食品に使われています。

◆<大豆オリゴ糖>
大豆に含まれる各種オリゴ糖の総称です。大豆たんぱく質を利用したあとの残りかすからつくられ、甘みは砂糖の約70%ありながら、カロリーは約50%と低いのが特徴です。少ない量で腸内の善玉菌を増殖させる性質を持っています。