「禁煙治療」ってどんな治療ですか?

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今回は『「禁煙治療」ってどんな治療ですか?』をご紹介させて頂きます。

喫煙者減少から、現在は横ばい

あらためて言うことではないでしょうが、タバコは体によくありません。タバコの煙には、ニコチン、タール、一酸化炭素など200種類以上の有害物質が含まれ、そのなかには、50種類以上の発がん性物質も入っているからです。

がん以外にも、脳卒中、心筋梗塞、動脈硬化、糖尿病、骨粗しょう症、うつ病の発症についても、タバコとの因果関係が取りざたされています。近ごろは、健康志向の高まりもあり、喫煙者の数が減少しています。1960年代には日本の男性の約80%が喫煙者でしたが、現在は30%を下回っています。特にここ30年では約半分にまで減っています。

しかし、減りつつあった喫煙者の数は、ここ数年は横ばい状態です。いったい何が起こっているのでしょうか。

禁煙は「約6%」の成功率

喫煙者が減少しているなか、長年タバコを吸っている人の3人に1人はタバコをやめたいと思っているようです。そして実際に約52%の人は禁煙を試みています。そして禁煙に成功した人は約6%という調査報告があります。

減りつつあった喫煙者の数が、ここ数年は横ばい状態であるのは、そのためです。私たちが思っている以上に、禁煙することは難しいのかもしれません。

禁煙失敗は「ニコチン依存症」が原因

禁煙を妨げるいちばんの原因は「ニコチン依存症」です。タバコを吸うと落ち着く、ホットする、リラックスできる、という一方で、タバコが吸えないとイライラする、落ち着かない、集中できないという症状があらわれます。

そしてニコチンは吸収が速く,体内から消失するのも速いという特徴があります。そのためタバコを吸ってから約30分でニコチン切れの症状が発生し、「次の1本」を求めるようにあるのが、典型的なニコチンによる依存症です。

なぜ、タバコを吸うと「落ち着く」のか?

タバコを吸うと、ニコチンは肺から血液のなかに入り、やがて脳に達します。タバコを吸い続けると、脳内には「ニコチン受容体」という物質があらわれます。そして、タバコを吸うたびに、ニコチンはニコチン受容体と結合します。すると、脳内には快感を生じさせる物質「ドパミン」が大量に放出されます。

ドパミンが脳内に放出されると、人は「気持ちがよい」、「落ち着く」、「ホットする」、「ストレスから解放される」などの感覚を得ます。喫煙者がタバコを吸って「おいしい」と感じる理由はこの状態があるからです。

しかし、先にも述べたようにニコチンは消失するのが速いため、ニコチン摂取→ドパミン放出→ニコチン摂取のサイクルをくり返します。こうなると、禁煙の意志はあっても、タバコをやめのるは難しくなります。これは「マイルド」「ライト」などの軽いタバコでも同じことです。

よし、「3ヶ月」でタバコをやめる!

ニコチン依存症は病気であるため、2006年4月から、健康保険を使って禁煙治療を受けることができます。一般的に、治療には3ヶ月(12週間)が必要で、そのあいだに5回の診断を受けます。病院やお医者さんによって多少違いはあるでしょうが、治療は、だいたい次のような流れで行われます。

<初回の診断>

はじめての診察では、判定テストなどを使って、保険診療を受けられるかどうかの確認が行われます。そのあと体に一酸化炭素がどれくらい含まれているかを測定します。お医者さんのアドバイスを受けながら、禁煙開始日を決めます。禁煙補助薬を受け取ったら、禁煙スタートです。

禁煙補助薬は、(1)タバコに代わってニコチンを補給し、その量を減らしながら、少しずつ依存から離れるための薬と(2)脳にあるニコチン受容体に働きかけ、ニコチン摂取で得られる満足感を小さくするための薬、の大きく2つのタイプがあります。禁煙補助薬の特徴と使い方の説明を受け、自分に合った薬を選択することになるでしょう。

<2~5回目の診断>
禁煙外来は、はじめの診断から、2週間後(2回目)、1ヶ月後(3回目)、2ヶ月後(4回目)、3ヶ月後(5回目)と診断が決っています。

2~5回目の診断では、禁煙中の状況や体の調子をチェックします。初回同様、一酸化炭素量の測定、医師からのアドバイスを受けます。禁断症状の対処法なども教えてくれるでしょう。禁煙補助薬を欠かさず服用して、決められた日に受診することが大事です。そして、禁煙効果を得るなら、必ず5回目まで受診しましょう。

次第に、「食事がおいしく感じる」、「息切れしなくなった」、「よく眠れるようになった」などの効果が実感されるはずです。8年前に厚生労働省による調査では、禁煙治療で約49%の人が禁煙に成功しているとのデータがあります。いまでは治療方法や薬も改良されているようです。成功率はいまはもっと高いかもしれません。

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