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今回は『自分の「いびき」の原因を探そう』をご紹介させて頂きます。

女性の「10人に1人」は、習慣的ないびき

いびきは、狭くなった咽頭(鼻から食道につながる気道) が呼吸のときに擦れて出す雑音です。咽頭はもともと狭いうえに周囲に骨がないため「つぶれ」やすく、息を吸ったときに吸い寄せられて、その空間はさらに狭くなって「いびき」が出るとされます。

日本人で習慣的にいびきをかく人の割合は、男性で24%、女性が10%というデータがあります。その割合は年々増える傾向にあり、女性が多くなってきているといいます。しかし、いびきの原因は多種多様化しています。「いびきをかいている」と指摘される人は、自分にどのような原因があるのか、知っておくと対処がしやすいでしょう。

鼻ではなく「のど」の障害

いびきは、鼻で鳴っているように聞こえますが、実際には「喉頭(のど)」でかきます。私たちは目覚めているあいだ、喉頭は周囲の筋肉で支えられています。それが眠るとこの筋肉の働きが弱まるため喉頭は狭くなります。眠っているときに「いびき」をかくのはそのためです。

いびきの多くは、息を吸ったときに発せられます。眠っているときに息を吸うと、喉頭のもっとも狭い部分は、吸引の力で吸い寄せられてさらに狭くなります。そこに空気が通過するたびに「圧」がかかり、喉の粘膜が振動することで、大きな音が口や鼻から聞こえてきます。

自分はどれか? 6つの原因

いびきの原因は、1つや2つではなく、人によってさまざまです。それは「体の特徴」からくるものと、「生活習慣」によるものに分けられでしょう。おもな原因として次の6つが挙げられます。
◆<肥満体質>◆

いびきの原因として最も多いのが「肥満」です。脂肪は「首まわり」や「のどまわり」にもつき、一方で舌を支える筋肉や首をおおう筋肉が低下します。すると、上気道(鼻から喉にかけての気道)を狭めるため「いびき」の原因となります。

「首が太くて短い人」にも同じようなことがいえます。そこに疲労がたまることがあると、筋肉はさらにゆるんで自律神経から「口呼吸をする」指令が出されます。すると「いびき」はいつも以上に大きくなります。横向きに寝ると気道が確保されるため、いびきが治まります。

◆<鼻づまり>◆

アレルギー性鼻炎や花粉症などで鼻がつまっていると、眠っているときは「口呼吸」を行うことになります。口呼吸は、鼻呼吸よりも気道が狭くなるため、空気がとおる際の抵抗が大きくなりいびきの原因となります。鼻腔拡張テープを鼻に貼って寝るとだいぶ改善されます。

◆<扁桃腺が大きい>◆

扁桃腺はのど奥の両側にある「リンパ組織」です。扁桃腺が大きくなると、喉を圧迫していびきの原因となります。子供のいびきの原因の多くは扁桃腺の肥大です。

扁桃腺の肥大は、幼児期や学童期の成長段階でふつうに起こる現象です。中学生になるこから小さくなり、いびきは解消されます。

◆<アゴが小さい>◆

下あごが小さい人は、寝ているときに舌がアゴにおさまりきらず、舌の付け根が喉に落ち込みやすく、いびきの原因となります。横顔を見たときに下あごが後ろに引っ込んでいる人は、要注意です。下あごの小ささは、日本人は骨骼的な特徴でもあります。寝ているときに専用のマウスピースを使うことで、いびきの防止になります。

◆<女性ホルモンの減少>◆

いびきをかく人の割合は、60代では男性が60%、女性は45%と、女性の数が大きく増えています。それは更年期が影響しているようです。

女性ホルモンには、「上気道開大筋」という上気道の開存を維持する筋肉や、「オトガイ筋」という舌を支える筋肉を活発にさせる作用があります。そのため女性は男性にくらべていびきをかきにくいといわれます。

しかし閉経後は女性ホルモンが急激に減少するため、気道を広く保つことができなくなり、それまではかかなかったいびきをかくようになります。

◆<アルコールの過剰摂取>◆

アルコールを摂取すると咽頭だけでなく、全身の筋肉はゆるみます。もちろん睡眠時には舌がゆるんで喉の奥に落ち込むため、気道が狭くなり「いびき」をかきやすくなります。

さらに、アルコールは血行を促進するため鼻の奥などの血管が膨張し、粘膜が腫れて鼻づまりを起こしやすくします。気道はさらに狭くなり「いびき」は大きくなります。ふだんかかない人でも飲酒をすると「いびき」をかくのはそのためです。

深刻に悩まず、耳鼻咽喉科へ

いびきが大きくと、友人と旅行にも行きづらくなるでしょう。いびきは自分では分からないので、不安になるものです。深刻に悩まずに「耳鼻咽喉科」を受診し、専門医に相談しましょう。

いまは、さまざま予防策や治療薬、治療法があります。たとえば鼻の奥を手術する治療を行うことになったとしても、以前なら1週間程度の入院が必要でしたが、いまは日帰りで実施することも考えられます。治療法は症状によって異なりますが、まずは医師に相談するのが大事です。

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