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今回は『免疫力がアップする「フコイダン」とは?』をご紹介させて頂きます。

フコイダンは、海藻のネバネバ

フコイダンとは、ワカメ、コンブ、メカブ、モズクなど海藻類のヌメリ成分に多く含まれる天然成分で粘質多糖類です。1913年、スウェーデン・ウプサラ大学のキリン教授によって発見され、「フコイダン」と命名されました。

その後、1960年代に化学構造が解明されると、1970年代にはフコイダンの抗がん作用についての研究が進みます。

そして1990年代に入り、フコイダンは大腸菌O-157への抗菌作用や、ピロリ菌を除菌できるとの結果がさまざまな機関から報告されると、近年研究はさらに進み、人間の健康効果をサポートする成分として、期待が寄せられています。

ネバネバの食べ物は体によい

日本では昔から「ネバネバの食べ物は体によい」と言われ、海藻類は身近な健康食材として親しまれてきました。

海藻はネバネバ成分を身にまとうことで、
(1)引き潮の際に乾燥を防ぐ
(2)細菌などの外敵から自らを守る
(3)砂などで傷ついた部分を治す
などの働きがあります。つまりフコイダンは、抵抗力、免疫力、自己治癒力にすぐれているといえるでしょう。

生活習慣病やアレルギー緩和など多くの効果

ここ10年あまりで、フコイダンの健康作用は臨床試験、学会発表でたびたび報告され、これまでに次のような効果が示されています。

<免疫力の向上>
NK細胞(ナチュラルキラー細胞)などの免疫細胞を活性化する作用が確認されています。人間の自然治癒力を回復して、体質を改善します。

<胃腸の改善>
フコイダンを構成する成分の「硫酸基」は、人間の胃粘膜と同じ性質のため、フコイダンを摂取すると胃のなかでよく馴染み、胃の粘膜を保護しながら、胃腸を活発に動かす働きがあります。また、ピロリ菌を吸い込んで腸へと押し流し、胃を守る効果も確認されています。

<アレルギー緩和作用>
体内に侵入した異物と結びついてアレルギー症状を起こすのは「IgE抗体」と呼ばれる物質です。免疫システムのバランスが崩れると「IgE抗体」が過剰に生産され、アレルギー反応が起こりやすくなります。フコイダンには、IgE抗体が過剰につくられるのを抑制する効果があるといわれています。

<血圧の低下作用>
フコイダンには、小腸でナトリウムを吸着して排出する働きがあるため、摂取することで、血圧を下げ、さらに血液をサラサラする効果が期待できます。動脈硬化や高脂血症など生活習慣病の予防につながります。

他にも、肝機能の向上、抗ガン作用、コレステロールの低下作用が確認されています。フコイダンは海藻類でも種類によって含まれる量は違います。多くのフコイダンを含んでいるのは、
(1)オキナワモズク
(2)ワカメメカブ
(3)ガゴメコンブ
(4)真コンブ
(5)ワカメ
 の順です。オキナワモズクはダントツに多く、コンブの約16倍多く含まれています。