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今回は『小学生「理想的な睡眠」とは?』をご紹介させて頂きます。

子供には「成長ホルモン」が不可欠!

子供が健やかに育つには「成長ホルモン」の正常な分泌が不可欠です。成長ホルモンは、脳の下垂体から生涯にわたって分泌される物質です。小児期の成長ホルモンは、骨をのばし、筋肉や各器官を発達させる働きがあります。「身長を伸ばすホルモン」として知られ、子供の成長にとって欠かせない物質のひとつです。

成長ホルモンの分泌には、十分な睡眠が欠かせません。子供にとって睡眠は、疲労回復だけでなく、体の成長にも大きな影響を与えます。しかし近年は、両親が共働きで夕食を摂る時間が遅い家庭が多く、さらに複数の習い事や、ゲームやSNSなどの普及などにより、平日でも夜更かしをする子供が増えています。子供の就寝時間や睡眠時間の管理が以前より難しくなっています。

小学生は「約9~11時間睡眠」が理想

小学生の理想の睡眠時間は「約9~11時間」といわれています。この時間で子供の体は、成長ホルモンを分泌させ、知能の発達させる、集中力や記憶力を高める、免疫力を強める、体の疲れをとるなどを行っています。

大人にくらべて睡眠時間が多く必要なのは、「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」のサイクルが安定していないためです。人間は、脳を休める「ノンレム睡眠」と、体を休める「レム睡眠」をくり返し、そのサイクルを一晩に何度も行って、心身ともに回復をはかります。

しかし、総務省が2011年に行った「社会生活基本調査」によると、10~14歳の実際の平均睡眠時間は、8時間35分と理想より少ないようです。

「寝る子は育つ」は科学的にも事実

子供の睡眠時間が足りないと、自律神経が乱れて体調不良や情緒不安定になりがちです。そして、成長ホルモンの分泌量が少なくなり、身長の伸びや臓器の発達に影響が出ます。

成長ホルモンの不足は、(1)免疫力が低下し、風邪や病気にかかりやすい、(2)筋力が弱く代謝が悪くなって肥満体質になりやすいことも研究で明らかになっています。また、厚生労働省によると、子供の睡眠不足は、将来的に糖尿病や高血圧などの生活習慣病や、うつ病などの発症率を高めるとしています。

起きる時間から逆算して、子供には十分な睡眠が必要です。「寝る子は育つ」ということわざがありますが、これは科学的にも証明されている事実です。

熟睡するための「3つ」の工夫

早い時間に寝ることで、成長ホルモンの十分な分泌量が期待できます。子供にはできるだけ「早寝早起き」のリズムを作るよう大人が配慮しましょう。また、寝つきをよくする工夫も大切です。

落ち着いてスムーズに睡眠に入るには、体温が下がっている状態が必要です。そのためには、寝るまえにあえて一度体温を上げておくと、その反動で眠るときには体温は下がりやすくなります。次のような方法を試してみるとよいでしょう。

・就寝1時間前にお風呂に入る
・お風呂上がりに温かい飲み物を摂る
・布団に入る前に手足を動かし体をほぐす