なぜ、妊娠中の体重増加は「10キロ」まで?

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今回は『なぜ、妊娠中の体重増加は「10キロ」まで?』をご紹介させて頂きます。

栄養を摂るのは必要だけど

女性は妊娠すると食欲が増します。妊娠初期は「つわり」のために食事があまり取れない人もいますが、体調が落ち着いてくると「赤ちゃんのためにしっかり栄養をつけないといけない」とついつい多めに食事を摂ってしまいがちです。

もちろん体が変わっていく時期ですから栄養は必要です。しかし、だからといって食欲のままに食べ続けていくと、体重が急増して出産の負担につながります。

どうして、10キロなの?

妊娠中の体重増加は「10キロ」までと言われます。その内訳をみると次のとおりです。

・胎児:約3kg
・胎盤:約0.5kg
・羊水:約0.5kg
・子宮、乳房、血液:約4kg
・そのほか:約2kg

あくまで平均ですので、妊婦さんの体重や身長などで内訳は変わるでしょう。しかし出産までに増やしてよい体重は、約8~10kgが目安です。そして、10ヶ月の妊娠期間でみると、1ヶ月で約1kgの増加と考えると分かりやすいでしょう。

影響する3つの症状

体重が急激に増加しないよう、きちんと体重管理を行うことは、妊婦の大切な仕事のひとつです。体重が急に増え過ぎてしまうと、次のような症状に悩むことになります。

・妊娠高血圧症候群
・妊娠糖尿病
・腰痛

妊娠高血圧症候群

妊娠高血圧症候群は、以前は「妊娠中毒症」と言われていた症状です。(1)高血圧になる、(2)腎臓の機能が低下してタンパク尿が出る、といった症状が起こります。症状が出やすいのは、妊娠後期(8ヶ月以降)で、約10%の妊婦さんが発症しています。

妊娠高血圧症候群が起こる原因は、いまのところはっきり分かっていません。しかし、妊婦さんの体重増加(肥満)が関係していることは確かなようです。妊娠高血圧症候群が長引くと、胎盤の働きが弱まり、胎児が育ちにくくなるので注意が必要です。

妊娠糖尿病

妊娠糖尿病は、食べ過ぎによる体重の増加がもとで血糖値が上昇してしまう「糖代謝異常」の一種です。最近では、妊娠さんの約12%(およそ8人に1人)が発症していますので、決してめずらしい病気ではありません。

妊娠糖尿病は、通常の糖尿病にくらべて症状が軽度のため、出産後に治るケースがほとんどです。しかし、その後に糖尿病を発症しやすくなることがあります。また、妊娠糖尿病を発症すると、妊婦と胎児の体が大きくなります。そのため、帝王切開を余儀なくされます。

腰痛

女性は妊娠すると、ホルモンの影響で骨盤周辺の靭帯が緩んで腰痛になりがちです。さらに10kgほどの体重増加は、姿勢の変化をもたらします。お腹が大きくなると、重心が前方に移動し、傾いた骨盤や腰椎は背中の筋肉で支えるため、たえず背中が緊張した状態で「腰痛」が起こりやすくなります。

体重管理がうまくいかないと、なかには、ギックリ腰のような重い症状で、立つことも歩くことも辛いという事態を引き起こすこともあるでしょう。

カロリー量は控えめに…

妊婦にとって、食事の適量は1.5人分です。日本ではまだ、妊娠中は多く食べてもよいという考えがあって、カロリーオーバーになりがちです。妊婦時期別で摂取するカロリーを知って、できるだけ太り過ぎを防ぎましょう。

カロリーの目安は次のとおりです。この数字を気にしていれば、急激な体重増加にはつながりません。

・妊娠初期:+50kcal
・妊娠中期:+250kcal
・妊娠後期:+450kcal

また、妊娠後期は特に食欲が増してお菓子などを食べてしまいがちです。糖質やカロリー量は控えめにして、タンパク質、ビタミン、ミネラルなど、胎児の成長につながる栄養で食欲を補うのがよいでしょう。

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