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今回は『すぐにイライラする子は「低血糖」かも?』をご紹介させて頂きます。

子供の様子を「チェック」してみましょう!!

子供の「寝起きが悪く、食欲がない」ときは、次のような症状がないか気をくばり、子供の様子をよく観察しましょう。症状が、2~3つあらわれるなら、原因に「低血糖症」があるかもしれません。

・感情の起伏が激しい
・不機嫌で怒りっぽい
・無気力でやる気が起きない
・落ち着きがなく、忘れっぽい
・急に漠然とした不安を口にする
・朝夕に頭痛を訴えることがある
・ときどき、立ちくらみを起こす
・炭水化物を多く摂取している
・甘いお菓子やジュースをよく食べる

そもそも「低血糖」とは?

血糖とは、血液に含まれている糖類、特にぶどう糖(グルコース)のことをいいます。血糖値とは、血液のなかにあるブドウ糖の濃度をあらわす数値です。食事をすると血糖値は上昇するとよく聞きますが、それはブドウ糖の元になる炭水化物を摂取することで、血糖値が上がるという仕組みです。

したがって、血糖値は食事をする際に多少の変動をしています。血糖値が正常な値を超えて低くなり、症状があらわれたることを「低血糖症」といいます。

子供は「それほど糖分」を摂取しなくてよい?

人は「低血糖状態」だと、興奮状態に陥りやすく、意思決定をする前頭葉が麻痺して、理性的な判断ができなくなります。人間が1日に必要とする砂糖の量は体重1Kgあたり1gと言われています。大人より体重が軽い子供は、本来、糖分はそれほど摂取しなくてもよい体です。いや、「摂る必要」がないと言ったほうがよいでしょう。

しかし、実際はどうでしょう。甘いお菓子、スナック菓子、ジュース、炭酸飲料、スポーツドリンク、パン、麺類など、たくさんの糖分を摂取していないでしょうか。

なぜ、低血糖で「イライラ」は起こるの?

体の小さい子供が一度にたくさんの糖分を摂取すると、血糖値は急上昇します。するとアドレナリン、ノルアドレナリンといったホルモンが分泌されます。これらのホルモンは、イライラや不機嫌など情動や本能をつかさどる大脳辺緑系(だいのうへんえんけい)を刺激するため、子供は興奮しやすくなります。さらに、意思決定をする前頭葉が麻痺してしまい、正常な判断ができなくなるので、感情の起伏を抑えることができなくなります。

「たいへん、たいへん」と、次に体は血糖値をいそいで下げようとして、インスリンというホルモンをたくさん分泌します。そうなると、今度は血糖値が一気に下がって「低血糖」になるのです。

さらに、子供は血糖値を一定に保つための機能が、まだ未発達なことも「低血糖」になりやすい原因のひとつでしょう。いずれにしても、子供の食事やおやつは注意が必要です。

子供の「低血糖症」を防ぐ!

子供の低血糖症を防ぐには、食生活の改善から始めるのがよいでしょう。ジュースや清涼飲料水を控えて麦茶を飲むよう習慣を変えてみます。おやつはチーズやナッツ類にして甘いものを少し制限します。

白米、パン、麺類などの炭水化物、芋類の摂り過ぎにも注意が必要です。そのぶん肉、魚、卵、豆類などを少し多め摂取します。食べる量が少ないと、空腹時に下がっている血糖値が十分に上がらないため低血糖になりやすいからです。

また、子供はときどき夕食を食べずに寝てしまうことがあります。子供は食事をとらないで、空腹になりすぎると簡単に低血糖になります。食事の間隔を開けすぎない工夫も大事です。