今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け!
今回は『なぜ、発酵食品は体によいのか?』をご紹介させて頂きます。

和食文化を支える発酵食品

「発酵食品は体にいい」と聞きますが、どのように「いい」のでしょう。日本発酵文化協会によると、「発酵とは、微生物の働きによって物質が変化し、人間にとって有益に作用すること」です。腐敗との違いは、「人間にとって有益に作用する」ところにあるようです。

日本は発酵大国といわれるほど、古来から生活の身近なところで、日本人は発酵品と深く関わっています。私たちにとって発酵は、野菜や魚、豆などを長期保存させるための知恵であり、そして、発酵による旨味成分を活かした調味料としても、和食文化や郷土料理を支えています。

027195

日本の発酵食品といえば「麹(こうじ)」でしょう。麹菌を米・米ぬか・麦・大豆などに生やして培養したのが麹です。麹菌は日本で自然発生した有用微生物です。麹菌によって、醤油・味噌・酒・酢など発酵食品が誕生しています。2006年、日本醸造学会により「麹菌」は、国菌として指定されています。つまり麹菌は、桜・和歌・相撲・歌舞伎などと同じ扱いなのです。

食卓でよく見る「発酵食品」は?

日本は世界的に見ても発酵食品が多い国です。日本の特徴である「高温多湿な気候」が発酵に適しているからといわれています。冷蔵技術のない時代では、食材を発酵することで、なるべく長く保存できるようにしたのです。

ふだんの食卓でも発酵食品はなじみ深く、和食では、醤油、味噌、日本酒、焼酎、泡盛、みりん、米麹、納豆、豆腐、ぬか漬け、かつお節、塩辛など、が挙げられます。

398215

和食以外でも、よく知られる、メンマ、キムチ、豆板醤、コチジャン、ナンプラー、アンチョビ、ザワークラウト、ピクルス、サラミ、チーズ、ヨーグルト、紅茶、ウーロン茶、ビール、ワインも発酵食品です。

なぜ、「腸を元気にする」のか?

科学者によって「腸は第2の脳」といわれています。脳と腸は、自律神経・ホルモンなどの情報伝達物質を通して、互いに密接に影響を及ぼし合っているといわれます。「病気の根源は腸内環境にある」と指摘する医師も多くいます。

腸内には、乳酸菌やビフィズズ菌など約500~1000種もの微生物(腸内細菌)が存在し、その数は約500兆~1000兆個ともいわれています。発酵食品には、体を改善する善玉菌(体の健康を保つためによい働きをする細菌)が多く含まれており、腸内の消化吸収において次のような役割を果たしています。

・腸内の腐敗物質の増加を抑える
・病原体などと戦う免疫細胞を活性化させる

また、発酵食品を摂取すると、微生物・酵素・菌などが食品の持つタンパク質・糖・でんぷんを分解し、別の成分に変化させることで、すでに「消化の下準備」が整います。したがって、摂取した栄養の吸収率が向上するというメリットが生まれます。発酵食品の摂取は「腸を元気にする」といいますが、それは、
(1)栄養が体に入りやすくなり
(2)免疫力も高まり
(3)病気を予防することにつながるのです