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今回は『ゴルフやテニスに多い「バネ指」とは?』をご紹介させて頂きます。

手指に起こる腱鞘炎

ゴルフやテニスをしている人に起こりやすいのが、「ばね指」と呼ばれる手指の腱鞘炎(けんしょうえん)です。女性に多いといわれていますが、包丁や工具など手先を使う職業の男性にもよく見かけられる症状です。

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筋肉の力を指先に伝える紐状のものを「腱(けん)」といいます。腱は「腱鞘(けんしょう)」のなかを滑るように通り、手足の曲げ伸ばしを行っています。指の使いすぎによって、腱と腱鞘のあいだに起きる炎症が「腱鞘炎」です。

カクンと「ばね」がはじけるときの痛み

ばね指では、指の曲げ伸ばしに必要な腱や腱鞘が「腫れている」状態です。そのため、指の可動で腱が腱鞘を通るたびに擦れて強い痛みや熱感が生じます。しかも腱の滑りがわるいためスムーズに通らなくなり、無理に通したときに「カクン、カクン」とひっかかるような違和感があります。

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ひっかかりから解放されるとき、弾みをつけて「ばね」がはじけるような様子を「ばね現象」と呼びます。そこから「ばね指」が名づけられているようです。ばね指は、やがて炎症がひどくなると、指が曲がらない、もしくは伸びないといった状態が起こります。

朝起きて「指が突っ張る」ときは注意して

ばね指の原因は、「使い過ぎ」による腱と腱鞘のあいだの摩擦による炎症です。朝に症状が強くあらわれるのが特徴です。朝起きて、指が「突っ張るような感覚」を覚えるときは、ばね指の疑いが高いといえます。早めに整形外科を受診し、医師に相談しましょう。

また、女性の場合は、ホルモンバランスの変化によって、更年期・妊娠期・出産後に症状があらわれることがあります。その際も早めの受診がよいでしょう。5本のどの指にも起こる可能性はありますが、起こりやすいのは(1)親指(2)中指(3)薬指の順といわれています。おもな症状は次の3つです。

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・指の曲げ伸ばしのときに手のひらに痛みが起こる
・指を動かすと、指のつけ根がひっかかるような感じがする
・指を曲げたら、曲がったまま伸びなくなる

まずは、「装具」と「注射」による治療

ばね指の治療は、「保存療法」と「手術療法」がありますが、通常は「保存療法」から行われます。保存療法では「専用の装具」をつけて指の可動を制限しま。そして、できるだけ指を使わずに安静にするのがいちばんです。

炎症をはげしいときは、ステロイド注射(トリアムシノロンなど)を打つことがあります。注射の効果は約3ヶ月といわれています。したがって治療の目安は「3ヶ月」と考えてよいでしょう。

保存療法によって改善しない、あるいは再発をくり返すときは、腱鞘切開手術を行います。局部麻酔を行い、腱鞘内のしこりや癒着を取り除き、正常な状態に戻します。手術は約15〜20分ほどで終ります。傷口は数ミリで縫合することはなく、日帰りで行うことができる手術です。

「いずれ治る」は危険!

ばね指は「放っておけばいずれ治る」という考えは危険です。慢性化・重症化をまねく恐れがあります。指の動きに違和感があったり、指のつけ根や手のひらに痛みが生じたときは、地域の整形外科を受診しましょう。

まれに乳幼児や子供に発症することがあるようです。小さな子供のばね指は、ほとんどの場合「親指」に出るといわれています。家庭では、子供の手指をよく観察しておきましょう。

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