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今回は『「仕事に疲れたらマインドフルネス」って何? 』をご紹介させて頂きます。

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最近「マインドフルネス」という言葉をよく耳にしませんか。しかし「マインドフルネスは禅の手法を取り入れた瞑想」と聞いてしまうと、「自分には関係なさそう」とか「宗教?」と感じ、知らなくていいと考えてしまうのではないでしょうか。
しかしマインドフルネスは、医学的、脳科学的に効果が実証されていて、グーグルやナイキといった超有名優良企業も社員研修に採用しています。もちろん、宗教とはまったく関係ありません。
仕事が好き!という優秀なサラリーパーソンは、パフォーマンスの向上が期待できますよ。

実は日本人になじみやすい「心の充実」法

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マインドフルネスはmindfulnessと書き「 mind=心」「fulness=充実」という意味です。発祥は1979年のアメリカです。マサチューセッツ大学医学部の医師が、禅の瞑想から宗教的要素を取り除き、ストレスや慢性的な痛みに悩む患者向けのトレーニング法を開発しました。それを「マインドフルネス・ストレス低減法」と呼んだのです。
ですので、古くから禅を行ってきた日本にとっては、現代のマインドフルネスは「逆輸入品」ということになります。

良い睡眠より良い瞑想の方が良いビジネスを生む

マインドフルネスで行うことは、「自己の内面を観察すること」であり「自分の注意をコントロールして『いま』と『ここ』に集中すること」です。「瞑想」は「自己の内面観察」と「いまとここへの集中」を達成するための手段となります。
アップル創業者の故スティーブ・ジョブズや超有名企業がマインドフルネスを取り入れているのは、ビジネスのパフォーマンスが向上するからです。
日本国内で「株式会社Campus for H」という会社が行った研究では、「瞑想が仕事に及ぼす良い影響」の数値が0.086だったのに対し、「睡眠が仕事に及ぼす良い影響」は0.025でした。瞑想の仕事への貢献度は、睡眠の3.44倍も高かったのです。

自律神経、ホルモン、脳に良い効果をもたらす

「瞑想によって集中力が高まり仕事のパフォーマンスが上がる」ということは、科学的にも証明されています。「自宅ですぐに始められる瞑想」は後ほど紹介しますが、瞑想の基本は、調身、調息、調心です。つまり、姿勢を正し、呼吸を整え、心を整えることです。これにより自律神経とホルモンのバランスが整うことが分かったのです。
また、瞑想によって脳の「前頭前皮質」という部分が活性化することも分かりました。前頭前皮質は、ビジネスに不可欠な集中力や記憶力、意思決定に関わっているのです。

思い煩っているワンダリングな状態から離脱しよう

マインドフルネスの逆の状態のことをマインドワンダリングと呼び、これは「集中できない状態」「過去の嫌なことに思い煩っている状態」のことをいいます。どんなに優秀なビジネスパーソンでも、マインドワンダリングの状態に陥ったら結果を出すことは難しいでしょう。なのでマインドフルネスをすることは、マインドワンダリングから離脱するためにも重要なのです。

体内に多くのリラックスをためよう

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これまで「自分を高める」方法としては、自己啓発がありました。これは「考え方を変える」ことによって、自分をビジネス環境に適合させる方法です。自己啓発では「打ち克つ」ことを学び、ストレスに立ち向かえるように訓練していきます。
一方のマインドフルネスは、ストレスと真っ向勝負することを避けます。「いまに集中」することで、過ぎ去った嫌なことや、いつ起きるのか分からないことへの不安を取り除き、脳をリラックスさせるのです。つまりマインドフルネスは「多くのリラックスを体の中にためる」ことを目指すのです。
マインドフルネスを行うと、対人関係の改善、睡眠の質の向上、そしてダイエット効果も期待できます。

自宅で簡単に始められる瞑想法

マインドフルネスの瞑想法にはいくつか方法があるのですが、自宅やオフィスで簡単に短時間で行える方法があります。

まず、背筋を伸ばして椅子に座ります。背中は椅子の背もたれに触れさせません。足を肩幅ぐらいに開き、全身の力を抜きます。ただ「だらん」という感じにはしてはいけませんん。
次に目を閉じます。職場でやるときに周囲の目が気になるようでしたら、目を開けて視線を前方ななめ下に向けます。
呼吸に意識を集中させます。深呼吸する必要はありません。なるべく「普通の」呼吸を心掛けてください。口、腹、肺の動きを想像してください。
注意がそれたら「注意がそれた!」と意識してください。そのとき、呼吸以外の何を考えていたのか、「家族のこと」「仕事のこと」「飲み会のこと」などとメモしておいてください。
最初はこれを1日5分行ってください。5分が苦労なくこなせるようになったら、10分まで延長してください。10分より長くする必要はありません。

まとめ

マインドフルネスの初歩は、おカネも時間も要りません。飽きたらいつ中断してもいいのです。でも、もし「自宅で簡単に始められる瞑想法」が自分の体と心に合っているなと感じたら、次のステップに進んでみてください。関連書籍やネットにたくさん紹介されています。あせらずじっくり取り組むことがマインドをフルネスにするコツです。