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今回は『激辛もほどほどに・・・。健康を損ないかねませんよ!』をご紹介させて頂きます。

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「辛い」は「からい」とも「つらい」とも読みますが、あえて大量の「辛いモノ」を食べる「辛いコト」好きの方は少なくないと思います。また、健康のために辛い食材を口にする人もいて、辛さの健康効果はさまざまな研究で証明されています。
しかしなにごともやりすぎはダメなようで、最大級の辛いモノを食べて大惨事を招いた事例も報告されています。

ゴーストペッパーが喉を破壊!?

大惨事は、イギリスの医療雑誌「救急医療ジャーナル(The Journal of Emergency Medicine)」で紹介されました。2016年9月公表の論文によりますと、「ゴーストペッパー」という調味料を使った料理を食べた人が、食べた直後に吐き気と胸の痛みを訴えて救急車で搬送されました。医師が付けた病名は特発性食道破裂といい、つまり喉が破壊されてしまったのです。
一般的には、この病気が発症するのは大量のアルコールを飲んだときです。嘔吐物がうまく口の外から出ずに、食道つまり喉に詰まってしまい破裂するのです。
食道破裂を起こしたら、緊急手術しか手立てはありません。しかし食道は命に関わる重要な臓器ですので、仮に24時間以内に治療ができたとしても死亡率は10~20%に達します。

世界1に輝いたブード・ジョロキア

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ゴーストペッパーという調味料は、国内でもアマゾンなどが取り扱っています。この調味料の主な材料はブード・ジョロキアといい、インドやバングラデシュなどで栽培されているトウガラシ属の植物です。見た目はピーマンそっくりですが、ものすごい代物で、なんとあのハバネロを抜いて辛さ世界1に輝いたのです。

辛さに単位があるの!?「すごくびっくり」だから「スコヴィル」?

このブート・ジョロキアを調味料に加工したゴーストペッパーは「100万スコヴィル」の辛さを誇ります。
スコヴィル(Scoville heat units)は辛さの単位で、「●倍に薄めると普通の人でも食べられる」という意味です。つまり100万スコヴィルとは、「100万倍に薄めるとなんとか食べられる」ということなのです。
スコヴィルは化学者の名前です。スコヴィルはある5人に複数の辛い食材と大量の砂糖水を与えて、「砂糖水でどれくらい薄めたら普通に食べられるか」という実験をしました。これによって辛さの数値化に成功したのです。

「純度100%」のカプサイシンの脅威

さて、みなさんは「カプサイシン」と聞いて何を想像するでしょうか。「トウガラシに含まれる辛さ成分」そして「健康に良い」ということはかなり知られています。
農林水産省も、カプサイシンは食欲を増進させ、おいしく食事をする助けになるとPRしています。またカプサイシンには、ホルモン分泌を促進したり、肥満を予防したりする効果も知られています。
しかし世の中には、このカプサイシンだけを抽出した「純度100%のカプサイシン」というものが存在し、この辛さはなんと1500万スコヴィルもあるのです。
つまり1gの「純度100%カプサイシン」を口の中に入れても平気な状態にするには1500万gつまり15トンの水が必要なのです。

まとめ

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さて、辛い食材が健康に良いことは広く知られていると思いますので、ここではカプサイシンなど辛いモノへの注意点を紹介します。

「ザ・ソース」という調味料は、冒頭で紹介したゴーストペッパーより7倍も辛く、これは爪楊枝の先に付けてだけの量でも、皮膚に触れると火傷をしたような痛みが走ります。ザ・ソースも一応は「食材」という「商品」として売られていて、しかもこれで味を楽しむ人も存在するのですが、一般の人には「毒」以外の何物でもありません。
農林水産省もカプサイシンを摂りすぎると、粘膜が傷ついたり、喉や胃が荒れたりすることがあるので、辛いモノは食べ過ぎないように、と警告しています。