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今回は『鼻づまりの原因とメカニズム!?』をご紹介させて頂きます。

「病気の鼻づまり」とは、どういう状態?

10月中旬あたりから朝の気温が急に低くなりました。寒くなるとはじまる症状が「鼻づまり」です。鼻腔をとおる空気の流れがとつぜん悪くなります。鼻づまりが起こると「口呼吸」になり、喉や気管を痛めて風邪をひきやすくなるといいます。

鼻づまりは、医学用語では「鼻閉」といいます。医学的には、両方の鼻、もしくはいつも同じ鼻がつまる状態を鼻閉(鼻づまり)としています。片方の鼻が時間によって交代でつまるのは「ネーザルサイクル」という生理現象で、病気ではないようです。

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また、昼間は平気でも、夜寝ているあいだの気づかないときに「鼻づまり」が起きていることはあります。目が覚めて喉がカラカラになっていれば、夜間に鼻づまりが起きて「口呼吸」になっていた証拠です。風邪のはじまりかもしれません。体調管理に気を配りましょう。

鼻づまりが起きる「3つ」の原因

鼻づまりの原因は、大きく分けて次の3つが考えられます。

・「副鼻腔炎」により、鼻みずが溜まっている
・「アレルギー性鼻炎」により、鼻の粘膜が腫れている
・「鼻中隔弯曲症」により、鼻の骨の構造のゆがんでいる

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原因に合わせた治療が大事です。「点鼻薬を1週間以上使っても治らない」というときは、原因をまちがえていると考えられます。

■「副鼻腔炎」による鼻づまり

鼻の穴のなかを「鼻腔」といいます。鼻腔のまわりには骨で囲まれた空洞が右に4つ、左に4つ、合計8つあります(次の4つが左右にあります)。

(1)篩骨洞(目と目のあいだにある)
(2)蝶形骨洞(脳の下にある)
(3)上顎洞(目の下にある)
(4)前頭洞(眉のあたりにある)

この空洞を「副鼻腔」といいます。副鼻腔は鼻腔とつながっており、粘膜で覆われています。粘膜の表面には「線毛」と呼ばれる細い毛が生えています。線毛は細菌やウイルスなどの異物を粘液といっしょに外へ出す働きがあります。

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鼻腔がウイルスなどに感染して炎症を起こすと、副鼻腔にまで及ぶことがあります。「副鼻腔炎」という症状です。「蓄膿症」と呼ばれることもあります。副鼻腔炎は、副鼻腔と鼻腔の粘膜が腫れて、黄色や緑色で粘り気のある鼻水が鼻腔に溜まり、鼻づまりが起こります。また、腫れて厚くなった粘膜のイチブがポリープ(鼻たけ)となって鼻づまりの症状を悪化させることがあります。

■「アレルギー性鼻炎」による鼻づまり

鼻のなかには鼻甲介(びこうかい)と呼ばれる「ひだ」が3つあります。このひだによって、吸い込んだ空気は渦を巻いて鼻腔を通ります。私たちが、さまざまな匂いを感じることができるのはそのためです。

3つの鼻甲介は、上から順番に(1)上鼻甲介、(2)中鼻甲介、(3)下鼻甲介と呼ばれています。吸い込んだ空気がはじめにぶつかるのは「下鼻甲介」です。

アレルギー性鼻炎は、スギ花粉やハウスダストなど、アレルギーの原因物質(抗原)を含んだ空気を吸い込んで、抗原が鼻の粘膜に付着して起こる反応ですが、抗原が付着するのはおもに「下鼻甲介」です。そのため、アレルギー性鼻炎では、下鼻甲介でもっとも強く炎症がおこり、赤く腫れあがります。 すると、鼻の通りが悪くなり鼻づまりが起こります。

■「鼻中隔弯曲症」による鼻づまり

鼻中隔とは、左右の鼻腔を分けるために、軟骨と骨で作られた壁です。鼻中隔がゆがんで左右どちらかにカーブして曲がると、狭くなったほうに鼻づまりが起こります。これを「鼻中隔弯曲症」といいます。

小児期の鼻中隔はほとんど真っ直ぐな状態ですが、思春期になると軟骨が急に成長し、鼻が高く丈夫に発達しようとします。ところが、顔や頭の骨はそれほど急には成長しないため、軟骨にゆがみが起こり、鼻中隔が変形することがあります。そのため、鼻中隔弯曲症によって、鼻づまりが起こりやすくなります。鼻中隔弯曲症は成長期の男子に多い症状です。

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■長く続くときは、耳鼻咽喉科へ

鼻づまりが起こったときに、自分がどの原因であるかは判断できないことがあります。特に、鼻中隔弯曲症などは、耳鼻咽喉科での診察がなければ分かりません。

ここに記した以外にも、鼻づまりを引き起こす病気はあります。1週間以上鼻づまりが続く場合は、耳鼻咽喉科を受診することが大事です。

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