今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『メタボのつぎは「ロコモ!」将来、介護にならないための予防策』をご紹介させて頂きます。

今度は「ロコモ」

2005年(平成17年)、「メタボ」という新しい言葉が世の中に登場してから10年以上が経過して、いまではすっかり認知されています。メタボは「内臓脂肪型肥満」という新しい概念を私たちに伝えることで、生活習慣の改善を促しました。そして、今度は「ロコモ」です。

ロコモとは、ロコモティブ・シンドロームの略で、日本語では「運動器症候群」といいます。加齢などによって「運動器」と呼ばれる、骨・関節・筋肉など体を動かす組織に、衰えや障害が起こり、立つ・歩く・座るといった日常生活に必要な能力が低下し、要介護にやりやすい状態をあらわした、新しい言葉です。

日本は平均寿命が世界一の長寿国ですが、平均寿命と健康寿命(健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間)のあいだには、男性で約9年、女性で約13年の差があります。健康寿命を伸ばすためには、メタボや認知症とならび、ロコモが大事な要因となりそうです。
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運動器の衰えは、見えないところで進行する

ロコモティブ・シンドロームの入口は、 「運動不足」「偏った食事」「暴飲暴食」です。運動習慣のない生活で運動器が衰え、 偏った食事は、骨や筋肉を弱くします。さらに暴飲暴食による太り過ぎは、ひざや腰の関節に負担をかけます。そして怖いのは糖尿病です。末梢神経の障害が起こると一人で歩くことが困難になり、運動器はますます衰えます。

運動器の衰えの怖いところは、自分の知らないところで進行しているかもしれないことです。骨や関節など目に見えないところで、大きな病気の兆候があらわれている可能性もあります。現在わずかでも、ひざや腰に痛みがある人は「整形外科」を受診し、適切な治療をはじめましょう。
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ロコモかどうか? セルフチェックを行ってみましょう

日本整形外科学会が中心となって、ロコモティブ・シンドロームの予防のための「ロコモ チャレンジ!」という活動が盛んです。骨や筋肉の量は30歳をピークに減少しはじめ、50歳を過ぎるといきなり低下するといわれています。

ロコモの予兆がないか、7つの「ロコチェック」を行ってみましょう。症状が1つでもあると、ロコモティブ・シンドロームの心配があります。

<チェック1> 片脚立ちで靴下がはけない
<チェック2> 家のなかでつまずく、すべる
<チェック3> 階段を上がるのに手すりが必要
<チェック4> 家のやや重い仕事(布団敷きなど)がきつい
<チェック5> 2kg程度の買い物を持ち帰るのがきつい
<チェック6> 15分続けて歩くのができない
<チェック7> 横断歩道は青信号で渡りきれない
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ロコモ予防は「ロコモ体操」で!

ロコモティブ・シンドロームの原因は、骨・関節・筋肉・神経・椎間板などに起こる運動器障害です。(1)食事や運動など生活習慣の乱れ、(2)加齢による運動器の機能低下、(3)運動器疾患の発症によって起こるといわれています。

そして運動器障害は、「ロコモの三大原因疾患」と呼ばれる「骨粗しょう症」「変形性ひざ関節症」「脊柱管狭窄症」に発展する可能性があります。

ロコモ予防には、「ロコトレ」と呼ばれる運動療法が有効です。自宅でできる2つの運動を紹介します!

<片脚立ち>
(1)床につかない程度に片脚を上げる
(2)左右1分間ずつ、1日3回行う

<スクワット>
(1)脚を肩幅より少し広めに開く
(2)深呼吸するくらいの速度で、スクワットを5〜6回行う
(3)1〜2のセットを1日3回行う

2つの運動を習慣化し、将来介護にならないための対策を今からはじめしょう。

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