今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『「地中海式?」「ダッシュ?」まだまだあるぞ新型ダイエット!』をご紹介させて頂きます。

「地中海式」や「ダッシュ」と聞いて、すぐにダイエットの名前であることを知っている人は、よほどの健康マニアでしょう。ただこの2つのダイエットは、アメリカの医師たちが科学的に効果があると実証した優れた健康法なのです。しかも! 認知症予防にもなるというのです。
さらに、この2つのダイエットを統合した、最新ダイエットも誕生しました。

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ルールは緩いが効果はばっちり地中海式ダイエット

ヨーロッパとアフリカに挟まれた地中海に、クレタ島という超高級リゾート地があります。1960年代に、この島の住民の心臓病による死亡率が低いことが分かり、食生活が注目されました。
「地中海式ダイエット」は、当時のクレタ島の食生活を真似する「食べるダイエット」です。このダイエットの嬉しい点は、パンやご飯がNGでないことと、ワインを推奨していることです。その詳細は次の通りです。

毎日食べた方が良い穀類パスタ、パン、米、大麦、イモ
フルーツアボガド、パイナップル、マンゴー、サクランボ
豆、ナッツアーモンド、落花生、ソラマメ、大豆
野菜ニンジン、シイタケ、マッシュルーム、レタス、ブロッコリー、インゲン
オリーブオイル
週に2~3回は食べて良い魚介類青魚、エビ
肉類鶏肉、鶏卵
スイーツ適量
月に2~3回は食べて良い牛、豚、羊の肉
ワイン食事のときに適量飲んだ方が良い
毎日コップ6杯(1200ml)

いかがでしょうか。肉も鶏肉は「週2~3回ならOK」、牛や豚も「月2~3回はOK」となっています。スイーツも食べることができます。
世の中に存在するダイエットの多くは「これをするな式」「これは食べるな式」ですが、地中海式はさすがラテン系で、とても寛容です。
ただ、地中海式ダイエットにも1つだけ「これをして」というルールがあります。それは毎日の適度な運動です。運動という土台の上に、許容範囲が広い食生活が乗っているのが、地中海式の特徴といえるでしょう。

アメリカのメイヨー・クリニックという有名な病院が、アメリカ国内で1960年代のクレタ島の食生活を送っている人を調査したところ、心臓病とがんの死亡率と、パーキンソン病とアルツハイマー病の発症率が平均的なアメリカ人より低かったことが分かりました。
もちろん減量効果も認められました。まさに「健康にやせられる」方法なのです。
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ダッシュダイエットの方がクレタ島より厳しいルール

次に紹介するダッシュダイエットは、アメリカ政府が医療の専門家に、「高血圧と心臓病の予防を目的とした新しいダイエット法を考案するように」と要請して生まれました。まさに「アメリカ人によるアメリカ人のためのダイエット」です。
もちろん「ダッシュ」といっても、いきなり猛烈に走り出すわけではありません。正式名称はDietary Approaches to Stop Hypertension「高血圧予防のダイエット」といい、単語の頭文字からこのように名づけられました。

アメリカ人用のダイエットなのですが、日本では食の欧米化が健康を害しているとの指摘があるので、私たちにも参考になります。
さて、ダッシュダイエットの内容なのですが、実は地中海式ダイエットととても似ています。それくらい地中海式ダイエットは優れている、ということです。
地中海式ダイエットには盛り込まれていない、ダッシュダイエットだけにあるルールは次の通りです。

食塩、1日5.75g以下低脂肪乳または無脂肪乳を推奨
アルコールは男性はビール1日650ml以下、女性はビール1日320ml以下

2つ合わせた超進化形ダイエットとは…

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アメリカ・シカゴのラッシュ大学メディカルセンターは、この2つのダイエットを統合した、新しい「マインドダイエット」を開発しました。
マインドダイエットが画期的なのは、認知症の予防を目的としていることです。もちろん減量効果もあるのですが、より重要な課題は高齢になっても認知機能を維持することなのです。
結論から申し上げますと、マインドダイエットに取り組んだ人は、アルツハイマー病リスクが53%低下し、認知機能年齢が7.5年若く判定されました。
ただし、マインドダイエットには、ダッシュダイエットより厳格なルールがあります。

マインドダイエットのルール注意点
1日3食の主食を全粒穀物にする食パンや白米はNGということです。
間食は毎日ナッツお菓子はNGです。しかもナッツは毎日食べてください。
豆類は1日おき日本人は豆類の摂取が苦手とされています。
週2回以上はベリー系の果物を食べるベリー系とは、イチゴ、ラズベリー、クランベリーなどのことです。
赤身肉はNGビーフステーキやカルビなどが赤身肉です。
魚を週1回以上食べるこのルールは日本人なら軽くクリアできそうです。
アルコールは赤ワインを1日グラ1杯までかなり厳しいルールに感じる人もいるでしょう。
バターは1日小さじ1杯以下パン食の人にはつらいかもしれません。
チーズ、揚げ物、ファストフードは、いずれかを週1品のみまで完全にNGではありませんが、極力避けましょう。

まとめ

地中海式ダイエットもダッシュダイエットもマインドダイエットも、着実にじっくり長期間取り組むことが必要です。ダイエットは一時期やせることに成功しても、リバウンドしては意味がありません。
また食生活を改善するダイエットは、最初は効果が現れにくいという特徴があります。しかし、やせるという見た目の良さだけでなく、健康というかけがえのないメリットが得られます。ダイエットは生き方そのものといえるでしょう。