今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『「栄養不足」を卒業したら、やせた!』をご紹介させて頂きます。

「ダイエットなんて簡単」と言える人たち

「トム・ソーヤの冒険」の著者で知られるアメリカの作家・マーク・トウェインは、禁煙について聞かれてこう答えています。

「煙草をやめるなんてとても簡単なことだ」
「そうかな」
「そうだとも、だって私は100回以上も禁煙している」

もしこれが、ダイエットについての質問だとしたら、同じようなジョークで返す人は大勢いるかもしれません。世間では、禁煙もダイエットも続けるのがむずかしいと考えられています。そして、どちらも大事なのは「意志の強さ」と思われています。ところが、どうも違うようです。
20161008c

なぜ、食事を減らしても、やせないの?

ダイエットの基本は、
(1)食事の量を減らして
(2)カロリーを制限する、が定説です。
この方法でダイエットをはじめると、順調に体重が減っていたのに、1ヶ月を過ぎてからまったく変化がなくなるのは、なぜでしょう。

食事の量を減らしても体重は減らない、むしろ増えていることがあります。それは、ダイエットの目的である「脂肪の燃焼」が行われていないからです。はじめ体重が減っていたのは、筋肉が落ちて、体の水分が抜けていただけのようです。その証拠に、肌はハリがなくカサカサして荒れているのが確認できます。

体の「代謝が低下している」状態です。食事の量を減らす、つまり摂取する栄養が足りないと、人間の体は身の危険を感じてエネルギーをなるべく使わないようコントロールします。すると、代謝は下がり、脂肪を燃やすこともできなくなります。その結果、落ちた筋肉と抜けた水分の量だけ体重は減りますが、肌はハリとうるおいを失くし → 体調はすぐれない → ストレスはたまり → もっと食事の量を減らさないとダメだ、と悪循環におちいるでしょう。
20161008b

脂肪を燃やすには、しっかり食事する!

ダイエットが成功する鍵は、意志の強さではありません。体の仕組みをしっかり理解して「食べてもやせる体」をつくることです。

そのためには、「ダイエット=食事の量を減らす」という考えは卒業しましょう。摂取する食事の量を減らしても、余分な脂肪は落ちません。むしろ体は必死に身を守ろうとして、脂肪を使わせまいと、痩せにくい状態を固辞するでしょう。

だから、自分で自分の体をいじめてはいけません。体にたまった脂肪を燃やすのは、エネルギーです。そのエネルギーは食事による「栄養」から生まれます。必要な栄養をしっかり摂取して、代謝を上げることで、余分な脂肪は燃焼します。

「栄養不足」が、やせない原因

では、カロリーについてはどうでしょう。現代の食事は、「カロリー過多+栄養不足」といわれています。特に加工食品はその代表です。体重は、摂取カロリーに対して、消費カロリーが上回ったときに減少します。「摂取カロリー < 消費カロリー 」は鉄則です。消費カロリーが多くなれば、体にたまった脂肪は燃えやすくなります。

だからといって、ローカロリーの食品ばかりを摂取すると、今度は「栄養不足」で脂肪を燃やすエネルギーが生まれません。大事なことは、カロリーを抑えたうえで、栄養をきちんと摂ることです。それには、次の3つのバランスを心がけましょう。

・たんぱく質(肉、魚、卵、豆類など)
・ビタミン・ミネラル(野菜、海藻類など)
・炭水化物(白米、パン、麺類など)

バランスの割合は、「0.7:1:0.5」を目安にはじめてみるとよいでしょう。
20161007p

やせるためには、「肉も魚も」大事な栄養素

カロリーの制限はあれこれ考えるよりも、「炭水化物」でコントロールするのが簡単です。ご飯の量をいままでの50〜60%くらいに減らしてみましょう。これでカロリーはだいぶ制限されます。

そして「たんぱく質」と「ビタミン・ミネラル」は、やせるためには絶対に必要な栄養素です。しっかり摂取します。これらが不足すると、筋肉が落ちて代謝が下がり、太りやすくなります。それに、肌の新陳代謝には、「たんぱく質」と「ビタミン・ミネラル」は欠かせません。

「1ヶ月で1kg減」を目安に!!

「カロリー過多+栄養不足」の食事から卒業すると、やせやすい体に変わっていきます。体調を崩すことなく体重は減っていくでしょう。「1ヶ月で1kg減」を目安に無理なく、続けることが大事です。

続けてさえいれば、やせてきます。もし体重が減っていない日があっても気にしません。だって「1ヶ月で1kg減」ということは、1日は約30g減です。これはテッシュ30枚くらいの重さです。「ふふーんだっ、こんな日もあるさ」ぐらいに思って、6ヶ月後の自分を想像しては微笑んで、とにかく楽しく続けましょう。