小麦が食べられない『セリアック病』とは…。

今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『小麦が食べられない『セリアック病』とは…』をご紹介させて頂きます。

食物アレルギーは残酷な病気です。アレルギーを持たない人にはとてもおいしい食べ物が、アレルギーを持つ人には毒になってしまうのです。エビ、イチゴ、キウイ、そば、米を食べられない人がいます。
そして「セリアック病」は、小麦が毒になるアレルギー症状です。患者が小麦を食べると小腸に異常をきたします。亡くなることはないのですが、死ぬほどつらい目に遭います。

腹の膨れから血液へ

セリアック病患者が小麦を食べると、小腸がやられます。そのため、小腸にガスが溜まります。それでお腹の膨れ、異常な数のおなら、そして腹痛が起きます。
食物から栄養を吸収する器官である小腸が働かなくなるので、栄養が摂れなくなります。その結果、急激な体重減少に見舞われます。
青白い大便や、異様な臭いを発する大便もセリアック病の特徴です。

貧血、異常な出血

小腸が異常をきたすと、「吸収しない」という事態に陥ります。鉄分不足やビタミンK不足が生じます。鉄分不足は貧血を引き起こします。貧血の結果、立ちくらみやめまいが起きます。
ビタミンKは血小板の働きを促す成分です。血小板は出血のときに固まって出血を止めます。つまりビタミンKを吸収できないセリアック病の患者は、傷つくと出血が止まらなくなります。
カルシウムが吸収できなくなるので、若い人の骨が高齢者の骨のようにスカスカになります。

中枢神経がやられる

必要な栄養素を摂れない期間が長期化すると、中枢神経がやられます。中枢神経は、脳に直接つながっている神経です。脳、心臓に次いで人の命にとって重要な器官です。なぜなら中枢神経は、あらゆる臓器に脳の命令を伝えているからです。
中枢神経が機能しないということは、臓器に脳の命令が届かないということで、つまり臓器が動かなくなります。膵臓が動かなくなるので、インスリンが分泌されず重い糖尿病を引き起こします。肝臓の異変は肝炎として現れ、最悪、肝がんを引き起こします。
そのほか、皮膚、心臓、成長と、とにかくありとあらゆる「臓器」や「生きること」に異変が起き、患者を苦しめます。

自分を守る機能に攻撃される

セリアック病は、ほかの食物アレルギーと同様に、自己免疫疾患です。自己免疫とは、外敵から自己を守るシステムです。自己免疫があるので、健康な人は菌やウイルスに感染しても、すぐに病気を発症することはありません。自己免疫が菌やウイルスを検知すると、それを攻撃してくれるからです。
しかしこの自己免疫システムが暴走することがあります。本来は味方である「外のモノ」に対し、「敵だ!」と判断してしまうのです。
セリアック病の患者の自己免疫は、グルテンに対し「敵だ!」と反応してしまうのです。グルテンは小麦に多く含まれています。そのほか、ライ麦や大麦にもグルテンは含まれています。

小腸の無数の毛

花粉症の患者の自己免疫は、本来なんら害のない花粉に対し、「敵だ!」と判断するので、涙やくしゃみや鼻水で花粉を体の外に排出しようとします。
それと同じようにセリアック病の患者の自己免疫は、グルテンを発見すると「吸収させてなるものか!」と反応するのです。
小腸の表面には無数の毛が生えています。その毛が食物に触れることで食物内の栄養素を吸い取れるのです。小腸の毛は「腸絨毛(ちょうじゅうもう)」といいます。「絨毯(じゅうたん)」のように生えているので、そのような名が付けられています。
セリアック病の患者の自己免疫はここに目を付けて、腸絨毛を壊すのです。腸絨毛が壊されると、食物はただただ小腸を通過するだけです。食べても食べても、栄養もエネルギーもまったく吸収されなくなります。

治療法はない

セリアック病の治療法はまだ見つかっていません。セリアック病の治療は、グルテンを食べないことです。グルテンが含まれている食物は、パンやケーキなどの小麦製品だけではありません。外食でもスーパーの商品でも、スープやホットドッグ、ソース、アイスに含まれています。患者はこうした食物を摂ることができません。かなり厳しい食事制限となります。

まとめ

人の臓器は、自分でコントロールできるモノとできないモノに分かれます。肺はコントロールできます。息を止めることも、激しく呼吸することも、意思のままです。一方で心臓の鼓動をコントロールすることはできません。
自己免疫は、コントロールできないモノのひとつです。いくら「小麦は害ではない」と思ってみても、自己免疫の暴走を止めることはできないのです。

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