全身が痛む『ライター症候群』とは…

今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『全身が痛む『ライター症候群』とは…』をご紹介させて頂きます。

「ライター症候群」は、関節を中心に尿道や目、手足など全身が痛む病気です。菌に感染することで発症することは分かっていますが、治療法は確立されていません。80%の患者は自然治癒が期待できますが、20%は症状が慢性化し、苦しみながら生活しなければなりません。国内では極めて珍しい病気ですが、幅広い年齢層で発症します。

3つの症状

ライター症候群は「反応性関節炎」ともいいます。「ライター」は、1916年にこの病気を発見したドイツの細菌学者の名前です。ハンス・ライター氏といいいます。この病気は下記の3つの症状が同時に現れる恐い病気です。
①脊椎関節症
②尿道炎または子宮頸管炎
③結膜炎 
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背中の痛みから始まる

脊椎とは、首から背中、腰までつながっている「1本」の骨です。いわゆる背骨です。脊椎は体の外から見ると「1本」ですが、実は「25個」の骨のパーツに分かれています。パーツに分かれながら「1本」になっているので、首も背中も腰も曲げることができるのです。

脊椎関節症は、背中の猛烈な痛みから始まります。夜間に痛むことが多く、朝目覚めるとこわばりが残っています。猫背の姿勢をとると楽になることから、重症患者は背中を丸めて過ごすことが多くなります。
背中の次に股関節の痛みが起きます。続いてアキレス腱、かかと、足の裏も痛み始めます。
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おしっこが出づらくなり目の充血も…

尿道炎では、おしっこをすると痛みが走る排尿時痛が起きます。おしっこが出なくなる排尿障害も起きます。また尿道から粘り気がある膿が出ることもあります。女性の場合、子宮頸管に炎症が起き、やはり痛みと膿が生じます。
結膜とは目の白目の部分です。結膜炎では白目が充血し、かゆみを伴います。
高血圧や糖尿病も恐い病気ですが、痛みはありません。しかしライター症候群はとにかく痛いのです。

国内では1%未満か

ライター症候群は、欧米白人に多く発症率は7~14%といわれています。国内の発症率の詳しい数値は分かっていません。ただ、「HLA-B27」という特別な遺伝子を持っている人に発症する確率が高い病気で、日本人の「HLA-B27」遺伝子保有者は1%以下であることから、ライター症候群の発症率も1%以下と考えられています。
国内では極めて患者数が少ない病気といえますが、子供から高齢者まで幅広い年齢層で発症しています。

なぞが多い病気??

では「HLA-B27」の遺伝子を持つ人が必ず発症するかというと、そうではありません。また、ライター症候群の症状を起こす人は、クラミジア菌やサルモネラ菌といった菌に感染しています。ただ、これらの菌に感染しても、症状を起こさない人がほとんどなのです。
さらにいうと、菌が「悪さ」をしているわけでもないのです。菌の感染は、単なるきっかけにすぎず、そのきっかけによって免疫の働きが暴走して症状を引き起こしているのです。免疫の暴走ですので、ライター症候群はリウマチの仲間です。

つまりこういうことです。
「遺伝に関係していそうだけど、そうとは断定できない。菌のせいであるのは確実だけど、どういう場合に症状が出るのか分からない」
なぞが多い病気なのです。
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「そのほかの病気ではない」ことを調べる

ライター症候群の検査は、遺伝子を調べます。「HLA-B27」があれば、ライター症候群が疑われます。また痛みがある部位のX線検査も行います。クラミジア菌などの菌が存在するかどうかも調べます。
しかしこれらの検査を行っても「ライター症候群である」ことは確定しません。似た症状の他の病気ではないことを確定させてから、「ライター症候群に違いないだろう」と診断するのです。

新薬も登場

感染のきっかけになった菌を退治しても、ライター症候群は治りません。なので、抗菌薬は使いません。完治できないので、対処療法となります。
使うのは炎症を抑える薬です。非ステロイド性抗炎症薬といいます。これで痛みも緩和されます。またリウマチの薬、サラゾスルファピリジンやメトトレキサートも使われます。
さらに新薬も登場しています。商品名はエタネルセプトとインフリキシマブといいます。

ライター症候群の患者の80%は、対処療法をしているうちに自然治癒します。しかし20%は背骨を中心に痛みが続く脊椎関節症が慢性化してしまいます。
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まとめ

ライター症候群は、国が指定する難病ではありません。治療費の助成が受けられないのです。そういった意味でも、とてもつらい病気です。

   

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