今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『「ネイルのオシャレ」の前に「爪の健康」に気を付けよう 』をご紹介させて頂きます。

オシャレさんの必須アイテム「ネイル」。色を付けたり装飾したりすると、注目度がバツグンにアップしますよね。しかしネイルアートは「健康な爪」が大前提です。「健康な爪」が存在するということは「病気な爪」もあります。あなたの爪はいま、元気ですか?
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足の爪が白い濁り…水虫かも

爪の病気といえば、なんといっても水虫です。爪が白く濁ったら、水虫が疑われます。白くなっても治療をせず放置していると、次第に黄色くなっていきます。
爪の水虫の原因ははっきりしています。白癬菌(はくせんきん)というカビに感染することです。白癬菌は爪に住み着き、まるでガラスのひびのように、菌の「足」が枝状に広がっていきます。菌は肉眼では見えませんが、顕微鏡を使うと簡単に見ることができます。
白癬菌がなぜ爪に住み着くかというと、爪がとても「おいしい」からです。白癬菌が好む爪の成分をケラチンといいます。タンパク質の一種です。
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白から黄色、そしてボロボロに

白や黄色になっても治療に取り掛からないと、爪の厚みが増してきます。そして強度がなくなり、ボロボロと崩れていきます。爪の崩壊です。
爪には神経が通っていないので痛みもかゆみも発生しないのですが、周囲の皮膚や肉が侵食され、かゆみや痛みが生じます。
爪水虫に関する知識では、もう1つ重要なことがあります。それは他人に簡単にうつってしまうことです。風呂マットやスリッパを共有するだけで感染してしまいます。爪水虫を発症してしまったら、①治療、②感染させない、この2点に気を付けましょう。

重症の爪水虫には飲み薬

水虫の治療では、塗り薬やスプレー式が一般的です。しかしこうした薬で症状が改善するのは、軽症のときだけです。白癬菌が暴走して爪がかなりぶ厚くなってしまった場合、塗り薬やスプレー式では、爪の奥にまで伸びた菌に届かないのです。
病院にかかると、飲み薬が処方されるでしょう。飲み薬は、薬の成分が血液に乗って白癬菌に届きます。つまり、「爪の表面から」ではなく、「爪の下から」白癬菌を攻めるのです。
飲み薬はゆっくり効果が出てきます。既に白癬菌にやられてしまった部分の爪は、伸びて爪切りでカットされます。新たに出てきた爪が健康な爪になっています。

爪に白い斑点…病気?

健康な爪は、爪の大半を占めるピンクの部分と、下部の白い半月部分にくっきり分かれています。ピンクの部分を「爪甲(そうこう)」といい、白い半月を「爪半月」といいます。
爪甲の部分に白い斑点が出ることがあります。これを「点状爪甲白斑(てんじょう・そうこう・はくはん)」といいます。
しかしご安心を。これは病気ではありません。知らぬ間に消えてしまいます。それで「幸福の星」と呼ばれることがあります。

白い線は注意が必要

爪に「白い点」ではなく「白い線」が出ていたら、注意が必要です。この状態を「線状爪甲白斑(せんじょう・そうこう・はくはん)」といいます。最も怖いのは、これがヒ素や鉛などの毒素によって生じる場合です。ですので、この症状が出たら必ず皮膚科にかかりましょう。原因究明が必要です。
また、マニキュアの使いすぎや、心臓の病気、腎不全などによってもこの白い線が出てくることがあります。いずれにしてもこの症状は「恐い病気かも!」という警告ととらえてください。

爪の亀裂

爪に、縦方向の亀裂が走っている場合「爪甲縦裂症(そうこう・じゅうれつ・しょう)」かもしれません。この症状は爪がきちんと作られていないことを意味しています。
除光液の使いすぎや爪の乾燥が原因となります。まれに、爪切りで切っただけでこの症状が起きる人がいます。そういった人は生まれつき爪が弱いため、爪を切るという刺激だけで爪に異変が起きてしまうのです。

爪の「土台」の病気

爪は皮膚の一部ですが、普段の生活ではそこまで深く意識していません。硬さも見た目も両者はまったくの別の物質のような印象を与えます。ちょっと気持ち悪い話になりますが、「爪がはがれる」という状態も、爪と皮膚を別物のように感じさせる要因でしょう。
爪の「裏面」が皮膚と接触している部分を「爪床(そうしょう)」といいます。いわば爪の土台ですね。爪が爪床と分離してしまう状態を「爪甲剥離症状(そうこう・はくり・しょう)」といいます。完全に爪がはがれ落ちなくても、爪と爪床の間に0.5ミリ程度の隙間ができます。
爪甲剥離症の原因は、洗剤などの化学物質や、カンジタ感染などです。また鉄欠乏症貧血や甲状腺機能低下症、糖尿病、膠原病といった内臓の病気に起因することもあります。この症状も見つけ次第病院にかかった方がよいでしょう。
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爪の不健康は不健康な生活が原因

「病気な爪」の治療と並行して行わなければならいのは、生活改善です。特に爪に異変が起きた人は、食生活に乱れがないかチェックしてください。
爪に必要な成分は、タンパク質、ビタミンB、ビタミンE、亜鉛、鉄分、カルシウムなどです。これらが含まれる食品を意識的に摂取してください。
ネイルでもやっぱり「美」は内側からなんですね。