今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『コスパ日本1の健康食品「モヤシ」を知ろう!食べよう! 』をご紹介させて頂きます。

日本国内のあらゆる健康食品で、これほどコスパが高いものがあるでしょうか。激安なのにほぼ100%国内生産で安心。栄養満点なのにクセのない味。低カロリーだからバクバク食べても問題なし。
それはモヤシです。
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細くて白いがパワーの源

モヤシはその外見が、白っぽくて細くて小さいので、とても頼りなく感じます。味も薄いので、こんなものを山ほど食べても健康になるような気がしません。
しかしそれは間違った認識です。モヤシには、「これがたくさん入っています!」と強烈にPRできる栄養素はないのですが、いろんなものがまんべんなく入っています。

例えば、モヤシ100gに含まれるビタミンCは2mgです。同量のブロッコリーなら54mgも入っています。しかしモヤシ100gのエネルギーは12kcalしかありません。ブロッコリーは27kcalです。ちなみに豚肉100gのエネルギーは242kcalもあります。

モヤシに含まれるビタミンはその他に、KもB1もB2もB6もあります。葉酸やβカロテンも含まれています。いずれも現代人に不足しがちな栄養素です。
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種? 芽? 3種類のモヤシ

モヤシは植物の名前ではありません。種を少し発芽させた状態のことをモヤシと呼ぶのです。ですので、米でも麦でも豆でも、種の状態から発芽させたらモヤシになるのです。
国内で流通しているモヤシは「緑豆モヤシ」「ブラックマッペ」「豆モヤシ」の3つです。

緑豆モヤシは、軸が太いのが特徴です。シャキシャキ感が一番強いモヤシです。火の通りがいいので、調理に便利です。
ブラックマッペの別名は「ケツルアズキ」といいます。小豆の仲間ですね。やや細いのですが、緑豆モヤシのような青臭さが少ないことが売りです。
豆モヤシは、大豆が原料です。「豆感」が感じられるモヤシです。

輸入して国内で発芽

モヤシの栽培では土は使いません。種を水に浸して、気温30度程度の暗い場所に2~3日置いておくと発芽します。つまり1年中栽培することができるのです。機能性も優れているのです。
モヤシの種は、中国やタイ、ミャンマーから輸入されることが多いです。それを国内の生産者が発芽させて出荷しています。
モヤシの生産では、化学肥料は使っていません。また何度も何度も水洗いしますので、衛生的です。
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平安時代と味噌ラーメン

日本でモヤシが食べられるようになったのは平安時代だそうです。当時は薬として使われていました。モヤシが市民権を得たのは、戦後間もなくです。十分な食料がなかった時代、簡単に作れて簡単に調理できるモヤシは大変重宝されました。
実はモヤシブームというものがありました。昭和40(1965)年代に札幌名物の味噌ラーメンが全国的に流行し、その具としてフィーチャーされたモヤシが脚光を浴びたのです。
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脇役に徹する潔さ

モヤシの優れたところは、メニューの脇役に徹しているところです。ニンジンやピーマンといった個性が際立つ野菜は確かに栄養価が高く健康に良いのですが、独特の臭いや触感が嫌われたり、飽きられたりしやすいです。

その点、モヤシは個性を押し殺す控えめなところがあるので、どんな料理にも合います。例えば「ニラレバ炒め」というメニューは、その名前にモヤシが含まれません。しかし、ほとんどの中華料理店で出されるニラレバ炒めにはモヤシが入っています。
モヤシが入っていると、レバとニラの強烈な個性が緩和されるので、食が進みます。ということは、レバとニラに含まれている免疫力アップ成分をふんだんに摂ることができるのです。

ラーメンにもモヤシは欠かせません。ホウレンソウのお浸しに茹でたモヤシを添えると、ちょっと豪華になります。どんな料理に割り込んでいっても決して邪魔にならない、そのくせ栄養素を付け足す、そんなことができるのは、モヤシだけではないでしょうか。

ちなみにレシピサイト「クックバッド」には、モヤシ関連料理が6万件も紹介されています。困ったときのモヤシ頼みですね。