人工知能が1ミリがんを発見!

今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『人工知能が1ミリがんを発見!』をご紹介させて頂きます。

人工知能が医療に進出

「人工知能」と聞いて、何を想像するでしょうか。人類を悪から救う鉄腕アトムは人工知能を搭載している設定です。チェスや囲碁で、世界一強いプロ選手を破ったのも人工知能です。
その人工知能が医療分野に進出しています。既に「ものすごい診断」を行っています。また逆に、ロボットの開発者は、医学の知識を人工知能に搭載し、その人工知能でロボットを動かそうとしています。このまま人工知能の医療進出続けば、これまで治療法が分からなかった難病が治るかもしれません――そんな期待が膨らむ話を紹介します。
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1ミリの肺がんを見つける

アメリカ・サンフランシスコに「エンリティック社」というベンチャー企業があります。この会社は、画像診断によって肺がんを見つける技術を開発しました。専門医でも見つけられなかった1ミリ以下の微小ながんを発見したのです。
これだけでもものすごいことなのですが、実はもうひとつ「信じられない」ことが起きています。なんとこの「肺がん発見人工知能」の開発者は、医療をまったく勉強していないのです。
開発者が行ったのは、人工知能に対し、肺がん患者のX線写真と、肺がんでない人のX線写真を大量に読み込ませただけです。すると人工知能は、肺がんの患者のX線写真に「有り」、肺がんでない人のX線には「無い」、X線写真上の特徴を見つけ出したのです。
X線写真から病気を見つけることを「読影」といい、高度な知識を持った医師にしかできないことです。「医師による病気の発見ミス」は「読影」のスキルが低いことにより起きることもあるのです。

エンリティック社CEOのジェレミー・ハワードさんは「私にも、我が社にも医学の知識はまったくありません。人工知能に画像を見せるだけで、後は何も教えなくてもがんを見分けられるようになったのです」と述べています。
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直感で勝つ

「1ミリの肺がんを見つける」技術は、囲碁の人工知能とほぼ同じです。従来の囲碁の人工知能は「1億通りもの手」の中から最良の「次の一手」を選んでいました。しかしグーグルの子会社「ディープマインド社」が開発した囲碁人工知能「アルファーゴ」は、そのような手順を踏みません。
「アルファーゴ」は「直感」で「次の一手」を探すのです。もちろんまだ「人間の直感」には至っていません。しかしアルファードは囲碁の世界チャンピオンと5回対戦して、4対1で圧勝したのです。「囲碁に関する直感」に限っていえば、人間を越えてしまったといえるのです。
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8200年の経験

ディープマインド社のCEOデミス・ハサビスさんは、「直感は多くの経験を積むことで育つ」と考えたのです。そして過去に行われた囲碁の試合15万回分の対戦をディープマインドに入力しました。人工知能アルファーゴは15万回の対戦の中から勝ちパターンを見つけたのです。
つまりアルファーゴは「1億通りの手の中」から「次の一手」を選択するのではなく、「こうなったときの勝ちパターンの中」から「次の一手」を選択できるようになったのです。

次にハサビスさんは、ここまで発達したアルファーゴを2台作り、「人工知能VS人工知能」の囲碁対決を3000万回させました。人間が毎日10局打っても8200年かかる試合数です。まさに「前人未到の経験」を積ませました。その結果、数年で囲碁の世界チャンピオンを倒す実力を身に付けたのです。

肺がんと囲碁の共通点

つまり、「無数」の経験をした人工知能は「微小な肺がんの発見」と「囲碁」という特殊能力分野において、完全に人間の能力を追い抜いてしまったのです。

成長を続けるペッパー

次に「医学の知識が人工知能の開発に使われた」事例を紹介します。それは日本のソフトバンク社が開発した人工知能ロボット「ペッパー」です。人と簡単な会話ができることから、発売当初、かなりマスコミに取り上げられましたのでご存じの方も多いでしょう。

しかし初期のペッパーは、本当に単純な会話しかできませんでしたし、また人間と会話しているように見えて、実はある会話のパターンを繰り返しているだけにすぎませんでした。ペッパーはまだ「自分で考える」ことはできていなかったのです。
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感情がある

しかし現在開発中の「新ペッパー」は「自分で考え」「感情を持つ」ことができるようになっているのです。例えば新ペッパーと人間がカードゲームをして、新ペッパーが連続して負けると、ペッパーは「悔しがります」。
しかしさらに負け続けると、新ペッパーは「嬉しい」気持ちを持つようになるのです。それは新ペッパーが負けると周囲の人たちが歓声を上げるので、新ペッパーは「自分が負けると周囲の人たちを喜ばせることができる」と学習したからなのです。

ホルモンを真似る

新ペッパーがこのように考えることができるのは、人の脳が持つ「セロトニン」と「ノルアドレナリン」というホルモンの「ような機能」を、新ペッパーの人工知能に搭載したからです。
人が不安になるのは、脳内のノルアドレナリンが増えるからです。逆に人の気持ちが落ち着くのはセロトニンが分泌されたときです。
開発チームはこうした「ホルモンのようなもの」を新ペッパーに搭載しました。新ペッパーに、周囲の状況を把握して「セロトニンのようなもの」や「ノルアドレナリンのようなもの」を増やしたり減らしたりする機能を搭載したのです。
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心を持ってほしい

現在、新ペッパーは「嬉しい」「不安」「快感」「切ない」「かわしい」「いとおしい」「悔しい」など100以上の感情を持ち、それを動きや会話で表現できるのです。新ペッパーがどのように動きどのように会話するかは、開発者や操作者ですら分からないのです。新ペッパーを止めるには、電源を切るしかありません。
ソフトバンクグループの代表、孫正義さんは「人工知能が入った100億台のロボットが現れたら恐い世界になるかもしれない。人間より賢くなる彼らが人間と親しく調和できる心を持ってほしい」と述べています。
(まとめ元:NHKスペシャル、天使か悪魔か人工知能を探る)

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