日本人のための「科学的根拠に基づく」がん予防!

今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『日本人のための「科学的根拠に基づく」がん予防!』をご紹介させて頂きます。

健康な人も、がん細胞は毎日生まれる?

人間の体は、1マイクロメートル(100万分の1メートル)の細胞が、約37兆2000億個集まって作られているといいます。

膨大な細胞は毎日分裂(細胞分裂)を繰り返しています。細胞分裂は、細胞のなかの遺伝子をコピーし、同じ細胞を新しく作ります。

細胞分裂の際に、まちがい(ミスコピー)が起きると異常な細胞が生まれます。これが「がん細胞」のはじまりです。ミスコピーは、私たちの体のなかで毎日起きています。どれほど健康な人でも、1日に3000〜5000個の異常細胞が生まれているといいます。
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がんの発生と仕組み

正常な細胞は、体の状態に応じて殖えたり、殖えることをやめたりします。一方、異常細胞は、体からの命令を無視して無限に殖え続けるのが特徴です。

無限増殖し、隣り合う臓器・リンパ節・骨などを侵していきます。さらに、血液やリンパ液から体中のあらゆる組織に転移し、何年もかけて数を殖し、「悪性腫瘍」をつくります。これが「がん」の発生です。

これまでの研究から、異常細胞を退治する免疫細胞の働きは、生活習慣に由来することが分かっています。現代の日本人は食生活の欧米化が進み、肉の摂取量は50年間で約10倍に上昇し、脂肪分は約3倍にも増えています。逆に野菜や果物の消費量は減っています。

ハーバード大学のがん予防センターが発表したアメリカ人のがん死亡原因は、喫煙(30%)、食事(30%)、運動不足(5%)、飲酒(3%)が全体の68%を占めています。この結果が示すように、がんによる死亡は生活習慣の見直しによって、十分予防できると考えられます。
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日本人のための、6つのがん予防法!

アメリカ人と日本人では、予防対策の効果が変わることはあるでしょう。国立がん研究センターは、今年(2016年)2月に「日本人のためのがん予防法(第2版)」を発表しています。

これは、科学的に妥当な研究方法で明らかにされている結果をもとに、日本人のためのがん予防法を提示するガイドラインです。6つの予防法が提示されています。

(1)喫煙
日本人のがん死亡の約20~27%は喫煙が原因です。特に男性は約30〜40%と高い数字です。禁煙することで、がん発症リスクは3分の2〜2分の1にまで下げることができます。

(2)飲酒
アルコール換算で1日あたり約23gに控えます。日本酒は1合、ビールは大瓶1本、焼酎は1合の3分の2、ワインはボトル3分の1です。がん発症のリスクは、1日あたりのアルコール摂取量が46g以上で約40%、69g以上で約60%上昇します。

(3)食事
食塩は1日あたり男性8.0g未満、女性7.0g未満を目標に控えます。食塩の過剰な摂取は胃がんのリスクを高めます。野菜(イモ類を除く)・果物の摂取は、消化器系のがんや肺がん予防に働くことが「ほぼ確実」とされています。

(4)身体活動
運動すること(身体活動を上げること)は、大腸がんや閉経後乳がん、子宮体がんのリスクを下げることになります。20分の歩行、10分のジョギング程度の活用量を保つことは健康で長生きするための鍵になりそうです。

(5)体形
肥満は、大腸・乳房(閉経後)・食道・子宮体部・腎臓・膵臓のがん発症リスクを上げます。特に中高年期(40~69歳)における肥満は注意が必要です。

肥満度は、肥満指数によって管理できます。肥満指数(BMI)は「BMI = 体重 ÷(身長 × 身長)」で計算します。中高年期男性の適正なBMI値は21~27、中高年期女性は21~25です。この範囲内に体重を管理しましょう。
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(6)感染
地域の保健所などで「肝炎ウイルス感染検査」「ピロリ菌感染検査」「子宮頸がん検診」を受けましょう。欧米では、がん死亡者の数が毎年約5%減少しています。これは検診を行い早期発見・早期治療が進んでいるからです。

肝がんの約80%は、B型、C型肝炎ウイルスの陽性者から発生しています。肝炎ウイルスを除菌すると肝がん発生リスクは5分の1に低下します。

ヘリコバクター・ピロリ菌の陽性者は、胃がんの発生リスクが陰性者の30倍です。日本のピロリ菌感染率は、20代で10%以下、30代で15~20%ですが、50代は50%以上に跳ね上がります。日本では2013年以降、除菌療法の保険適用が拡大され、治療はしやすくなっています。

子宮頸がんの原因である「ヒトパピローマウイルス(HPV)」は、性交渉によって感染します。性交経験のある女性のほとんどが、一生に一度はHPVに感染するといわれます。子宮頸がんは、性交渉の活発な若い世代に多く見られます。子宮頸がん検診を定期的に受診することが、予防と早期治療に有効です。

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