不眠症の「眠れない…」を知ろう!

今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『不眠症の「眠れない…」を知ろう!』をご紹介させて頂きます。

人が動けるのは眠るからです。睡眠は最も効率の良い休憩です。人は休憩せずには動き続けることはできません。ところが日本人の5人に1人が何らかの眠りの問題を抱えています。きょうは、睡眠障害のひとつ「不眠症」を中心に、「眠れない」についてみてみましょう。
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不眠症の症状

眠れない症状を引き起こす睡眠障害の原因は約100種類もあるそうです。不眠症はその中の1つにつぎません。
不眠症という診断が下るまでには、2つの段階があります。
1つ目の段階は、眠りの質です。医師はまず次の4つの症状に当てはまるかどうかをみます。
①寝つきが悪い
②眠ってもすぐに目覚めてしまう
③午前3時ぐらいに起きてしまう
④熟睡した感覚が得られない
2つ目の段階は、上記の①~④の結果、日常生活に支障を及ぼしているかどうかをみます。
A:日中に眠気に襲われる
B:疲れが抜けない
C:食欲がない
D:体調がすぐれない
E:仕事や勉強に集中できない

つまり、睡眠時間が短くても、目覚めがしっかりしていたり、業務や生活に支障が出ないと、不眠症とは診断されません。

眠れない原因はたくさんある

不眠症の原因についてなのですが、少し複雑な話になります。ただ「眠れない」を理解するには重要なポイントとなるので、飛ばさないで読んでみてください。
例えばアルコールを大量に飲んだために眠れなくなった場合、それは不眠症とはいいません。この場合は、アルコールによる睡眠障害となります。また、人の体内時計が狂ったことで眠れなくなっても、不眠症とは呼ばれません。
つまり検査の結果、原因がまったく見つからないのに、いまだに眠れない症状と体調不良が続いているときに、不眠症と診断されるのです。
つまり、不眠症だけを知っていても「眠れない」は理解できないということです。それで次に不眠症以外の代表的な5つの睡眠障害を紹介します。
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概日リズム睡眠障害

1日は24時間です。人の体も、この24時間に合わせて動くようにセットされています。人の体は、24時間ずっと同じ状態にあるわけではありません。体温や血圧、ホルモンの分泌、神経に働きは、人の活動に合わせて高くなったり低くなったり、多くなったり少なくなったりしているのです。つまり、ある日の「午前7時の体温、血圧、ホルモン、神経」は、「午後2時の体温、血圧、ホルモン、神経」とは異なる状態にありますが、翌日の「午前7時」の状態とは大体同じなのです。
睡眠も同様です。健康な人は、決まった時間に眠たくなり、決まった時間に目覚めます。
このことを「人の体には体内時計がある」といいます。体内時計のことを「概日(がいじつ)リズム」といいます。

ところが現代社会のように24時間ずっとライトが照っていたり、24時間いつでも食事ができたり、24時間いつでも仕事ができる状態にあると、概日リズムが崩れてきます。体温や血圧やホルモンや神経が狂いだすことで、睡眠のリズムが崩れます。それを「概日リズム睡眠障害」といいます。
概日リズム睡眠障害は、明け方にならないと眠れないタイプや、寝付く時間が毎日1時間程度ずつずれていくタイプなどがあります。
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過眠症

「過眠症」は誤解されている病気のひとつです。「夕方6時から翌朝6時まで12時間も眠ったから、夜に眠れなくなる」といった状態を過眠症と理解している人が多いと思います。しかし過眠症は「眠り過ぎたから今度は眠れなくなった」ではありません。
過眠症とは正しくは、「日中」に「過」剰な「眠」気に襲われる症状のことです。
過眠症の原因は単純で、夜眠れないことです。夜中まで仕事や勉強をすれば過眠症になるのは当然です。つまり、概日リズム睡眠障害という睡眠障害のために夜眠れないと、過眠症という新たな睡眠障害に襲われるのです。睡眠障害が別の睡眠障害を生むのです。
過眠症が重くなると、会議の発表中に突如眠ってしまうような、ちょっと信じられないような症状が起きます。こうなると別の病気である「ナルコレプシー」が疑われるようになります。ナルコレプシーも睡眠障害のひとつです。

睡眠時随伴症

「随伴(ずいはん)」とは「おともとして付き従っていくこと」という意味です。では「睡眠時随伴症」では、眠っているときに何がおともしてくるのでしょうか。それは、大きな声の寝言や、起き上がって歩きまわること、いきなり興奮し始めるといった行動です。いわゆる夢遊病も睡眠時随伴症の1つの症状です。
そのほか、布団の上に正座をしたり、廊下で放尿することもあります。この状態で「眠っている」のです。

むずむず脚症候群

夜、眠っているときに脚(あし)に不快な症状が発生し、目覚めてしまう病気です。患者の声では「虫がはうような」「むずむず」「痛い」「かゆり」「ぴりぴり」などがあります。
この病気を発症する人はある程度特定されます。人工透析を受けている人、胃切除後の人、妊婦などです。つまり「むずむず脚症候群」を引き起こす人は、ほかのもっと重大な病気や重大な体調の変化が起きている場合がほとんどです。
妊娠以外は、メーンの病気を治しながら、むずむず脚症候群の症状を軽くする治療が行われます。

睡眠時無呼吸症候群

運転中のバス運転手が突如居眠りする事故が重なり、すっかり有名になった病気です。この睡眠時無呼吸症候群がほかの睡眠障害と異なるのは、原因がほぼ特定されていることです。その原因とは、肥満です。
肥満によって喉がふさがれて、睡眠時に呼吸ができなくなってしまうのです。酸欠状態になることで、浅い睡眠になってしまうのです。それで日中に突如眠気に襲われてしまうのです。
ほかの睡眠障害は精神科や心療内科で診ることが多いのですが、睡眠時無呼吸症候群は呼吸器科や循環器内科で診ます。というのも、睡眠時無呼吸症候群を放置すると、心臓の病気を引き起こすことが知られているからです。
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まずは検査

睡眠障害の治療には、病気の特定が重要になります。睡眠障害を引き起こす病気は、約100種類もあるからです。病気の特定なしに、治療方法の選択はできません。
重い睡眠障害の人に行われる検査は「終夜睡眠ポリグラフ検査」です。入院して行います。体に様々なセンサーを付けて、眠っているときの「脳波」「目の運動」「心臓の動き」「筋肉の動き」「呼吸」「いびき」「血液内の酸素量」などを計測します。

また「入眠潜時反復検査」は、日中の眠気を計測します。午前9時、11時、午後1時、3時の4回、それぞれ20分ほどの「昼寝」を取ってもらいます。そして何分で眠りに付くかを計測するのです。眠りに付くまでの時間が短いほど「日中の眠気が強い」と判定されます。

薬物療法

睡眠障害は精神の不調により起きることが多いので、薬物療法がメーンになります。精神疾患の薬のほかに、軽症の場合は睡眠薬や睡眠導入剤が処方されるでしょう。

光治療

体内時計の狂いや、生活のリズムの乱れによる睡眠障害の患者には、光治療という特殊な治療が行われることがあります。
早朝にかなり明るい電灯を受けるのです。これにより「この時間はこの光を浴びる」ということを体に覚えさせるのです。体は「この時間になったら体を元気モードに切り替えないとならない」と感じるようになるのです。
わざわざ電灯を使うのは、自然の光である日光だと、明るさが天候や季節によって左右されてしまうからです。

認知行動療法

認知行動療法
認知行動療法は、ほかの精神疾患でも行われる治療法です。人の生活を「認知」と「行動」に分けて改善していきます。
例えばある心配事があって睡眠障害を引き起こしている場合、健康な人であればその心配事を解決することに取り掛かるでしょう。しかし精神疾患を患っていると、心配事を取り除くアクションが取れません。

そこで医師は患者に、その心配事の詳細を尋ねます。そうすることで、実際に心配をするまでに20の行程が見付かったとします。
医者は次に、実際の心配にたどり着くまでの20の行程の中で、比較的簡単に解決できそうな行程を患者に答えさせます。
ここまでが「認知療法」となります。次に「行動療法」に移ります。
比較的簡単に取り除ける行程が分かっていますので、まずはそれを取り除くような生活を送ります。つまり実際の「行動」に移るわけです。
このように「心配事の認知」と「心配事の1行程を取り除く行動」を繰り返すことで、全体的に心配事を減らすのです。

まとめ

ある睡眠障害は別の睡眠障害を引き起こします。そうやって睡眠障害が悪化すると、心がやられてしまいかねません。日中体を動かすと、夜良く眠れることから、睡眠は体力回復のために重要です。しかし最近は、睡眠による心の影響がクローズアップされています。
心が疲れている場合、より多くの良質な睡眠が必要になります。

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