今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『いざという時のために!【緊急避妊】について知っておこう!』をご紹介させて頂きます。

性行為後、コンドームが破れているのに気づき、青ざめた経験はありませんか?避妊が失敗した場合、妊娠してしまう可能性があります。このような状況で、望まない妊娠を防止する方法に「緊急避妊」があります。今回は、緊急避妊の目的や方法についてお伝えします。
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そもそも緊急避妊って何?

緊急避妊は、何らかの理由により、適切な避妊が行われずに性行為をした時の、妊娠を防止するための方法です。適切な避妊が行われなかった理由には以下のものがあります。
 ・性行為中、コンドームが破れてしまった。
 ・コンドームをつけ忘れて、性行為をした。
 ・膣外射精をした。
 ・強姦された。

以上のように、緊急避妊には、単に避妊行為の失敗だけでなく、強姦など強制的な性行為による妊娠を防ぐ目的もあります。なお、緊急避妊は医療機関で行われており、避妊が行われずに性行為を行った場合は、すぐに医師へ受診する必要があります。
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緊急避妊の種類は?

医療機関で行われる緊急避妊の方法には、以下のものがあります。

◆緊急避妊ピルの内服

緊急避妊の方法としてピルの内服があり、現在2種類のものが使用されています。成分は女性ホルモンでできており、緊急避妊を行った時期により、排卵を防いだり、受精や受精卵の着床を防いだりします。妊娠を防ぐ効果は80%程度と言われています。

・ノルレボ錠
ノルレボ錠は最近になって認可された黄体ホルモンが主成分の内服薬です。性交後72時間以内に内服を行います。副作用がなく、内服も一度きりなので、飲み忘れの心配がありません。費用は15,000円位になります。

・エチニール錠
以前から使用されている緊急避妊薬です。いわゆる中用量ピルで、性交後72時間以内に一度内服し、内服して12時間後にもう一度内服をします。吐き気や嘔吐の副作用が強い特徴があり、費用は10,000円位になります。

緊急内服薬は、数日から数週間後に生理がきてはじめて、その避妊効果を確認ができます。薬局では販売されておらず、内服には医師の診断と処方が必要です。内服効果を発揮する条件に、性交後72時間以内という時間制限があるので、気がついたらすぐに医師の診察を受けて下さい。
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◆IUDの挿入
内服以外の緊急避妊の方法として、IUDの挿入があります。IUDは銅製の器具を膣内に挿入して、受精卵の着床を妨げることで、妊娠を防ぎます。日本では、あまり主流ではありませんが、女性が行う避妊方法の一つでもあり、挿入後は数年間避妊効果が持続します。
副作用にはおりものが増える、腹痛、月経異常などがあります。なお、IUDの装着、除去は医師にて行われます。
IUDの挿入より避妊効果は、性交後1~5日以内と言われていますが、早めの行動を心がけましょう。
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緊急避妊における注意点

緊急避妊は、妊娠を防ぐための医療行為です。妊娠とは、受精卵の着床の成立を意味し、すでに妊娠している場合、つまり受精卵が子宮内膜に着床してしまった場合には、効果はありません。
緊急避妊法には、時間の制限があるので、性行為中に適切な避妊ができなかった場合は、速やかにクリニックや病院と受診するようにしましょう。

・緊急避妊を繰り返さないために
緊急避妊は、緊急用の避妊方法であり、緊急避妊をしなければならなくなった状況になってしまった時は、パートナーと話し合いを行いましょう。なぜ適切な避妊が行われなかったのか、これからどのような方法で避妊方法を行うかなど、緊急避妊が繰り返されることのないようにしたいですね。

緊急避妊は、性行為時に避妊ができなかった時の緊急用の避妊方法となります。緊急避妊をしない状況を作ることが一番ですが、もしもの時のために有効な手段であることを覚えておきたいですね。
せん。