子供のADHD(注意欠如多動性障害)。落ち着きがない?!

今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『子供のADHD(注意欠如多動性障害)。落ち着きがない?!』をご紹介させて頂きます。

「落ち着きがない」は、本当は病気のせいかも!?

集中力が続かない、忘れっぽい、落ち着きがない、考えるまえに実行してしまう。これらの行為は小さい子供であれば多少見られるものでしょう。

ただそれらの行為が続いて、周囲から「乱暴な子」「親のしつけができていない子」という認識を持たれ、集団から孤立してしまう子供がいます。しかし、本当のところは「ADHD」という発達障害のせいであるかもしれません。自分ではどうすることもできず、辛い思いをしているのは子供です。そして悩みを抱えるその子の親です。

私たちの周囲には障害にも関わらず誤解を受けている子供が案外いるようです。子供は社会の宝という言葉もあります。子供の発達障害について、社会全体で理解を進めることが必要です。

別名「注意欠陥多動性障害」という病気

ADHD(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder)は、「注意欠陥多動性障害」とも呼ばれる発達障害です。通常の活動や発達に支障をきたす「不注意」「多動性」「衝動性」の症状が少なくとも6種類以上、6ヶ月続いてみられる場合に、児童精神科や小児神経科の専門医から「ADHD」と診断されます。

先天性の脳機能障害で、感情の抑制・行動の切替え・計画・判断・認知などを担う「前頭前野」が関係していると考えられていますが、はっきりした原因はわかっていません。また、脳内の神経伝達物質が関与しているとも考えられています。

いずれにしても、親の愛情・しつけ・育て方や本人のやる気が原因ではありません。まずはそのことを本人と家族が理解することが大事です。

男子が多く、学年に1人以上はいる

子供のADHDは、世界的な発症率が約3~7%といわれています。文部科学省による全国実態調査では、日本でADHDと診断される子供は約2.5%です。割合でいうと学年に1人以上はいる計算です。

男女比率で見ると、圧倒的に男子の発症率が高いことがわかっています。女子の約3~5倍の発生率です。男子は8歳ぐらいで症状が出始め、女子は12歳前後から症状が出るといわれます。また、男女とも思春期には、学習障害(LD)や自閉症との合併症状が起こる場合があります。

症状は、3つのタイプに分かれる

ADHDの症状は、あらわれ方の違いから(1)多動性・衝動性優勢型、(2)不注意優勢型、(3)混合型の3つに分類されます。アメリカ精神医学会(APA)のDSM-5(精神障害の分類のための標準的基準)によって規定されたもので、それぞれの特徴は次のようなものです。

(1)多動性・衝動性優勢型

・話し出すと途中でやめられない
・自分のことばかり一方的に話す
・落ち着いて静かにすることが苦手
・つい不適切な発言や大声を発してしまう
・順番が待てない、ルールが守れない
・些細なことで手を出してしまう
・男子にあらわれることが多い

(2)不注意優勢型

・気が散りやすく、集中力が続かない
・約束した時間を守れない
・忘れ物が多く、物を失くしやすい
・作業を最後まで終えることができない
・時間割など物事の切替えが難しい
・女子にあらわれることが多い

(3)混合型

・不注意と、多動性・衝動性の両方の特徴をもつ
・両方の特徴のどれが強く出るかは子供によって違う
・ADHDの約80%がこのタイプに属し、早期発見がされやすい
・アスペルガー障害との区別がつきにくく、ADHDの確定が難しい

肯定的な言葉をかけて、温かく見守る

DHDを持つ子供は、集団から孤立しやすい状況にあるため、大人は細かく注意を向けることが必要です。誤解を受けやすく、大人や友達からいつも叱られてばかりが積み重なると、劣等感をもちやすくなる、自尊心が低くなりがちになるなど、自分を肯定する力が弱くなるものです。

これは、ADHDの二次的な問題として気をつけなければなりません。普段の行動に自信が持てるよう、失敗しても言葉で傷つけないことが大事です。これだけでも軽度のADHDではかなりの治療効果が期待できます。そして「今できなくても大丈夫だよ」という肯定的な言葉をかけ、できるだけ見守ることです。

自信の回復が、いちばんの治療

子供がADHDかなと感じたら、悩んで抱え込まずに、小児科や児童精神科に一度相談することをおすすめします。近くに専門医が見つからないときは、地域の保健センターや児童相談所が窓口となって医療機関を紹介してくれるようです。

治療は、子供を「聞きわけがいい子」に変えることではありません。その子の特性が理解され、毎日を生きやすく改善すること、友達といっしょに充実した生活が送れるように近づけることです。

治療には、環境調整・自信回復・社会活動への訓練・保護者の対処法などを学ぶ「教育・療育的支援」が選択されます。「投薬治療」もありますが、子供は補助的な治療法と考えられています。

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