辛いモノを食べるとお腹が痛くなるのはなぜ?

今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『辛いモノを食べるとお腹が痛くなるのはなぜ? 』をご紹介させて頂きます。

夏です。辛いモノの季節です。カレーやタイ料理を食べて、ガーッと汗をかいて、暑さを吹き飛ばしましょう!
でも辛いモノを食べると、お腹を壊す人がいます。辛いモノは刺激物なので、胃が悲鳴を上げているのです。きょうはそのメカニズムについてみてみましょう。

結論はカプサイシンです

「メカニズムを解説する」と言いましたが、答えは簡単です。辛いモノに含まれているカプサイシンが「悪さ」をしているのです。カプサイシンについて最も信頼がおける情報は、実は農林水産省にあります。

カプサイシンの「本名」は2つあります。1つは「C18H27NO3」といいます。2つめの名前は、「バニリルアミンと脂肪酸がアミド結合したカプサイシノイドと呼ばれるアルカロイドの一種」です。
カプサイシンは「植物」に含まれる「成分」です。レモンやキウイにビタミンCが含まれているように、トウガラシやハバネロにはカプサイシンが含まれているのです。
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「内側の壁」にある

カプサイシンが多く含まれる場所は、トウガラシやハバネロの「内側の壁」です。トウガラシやハバネロを「分解」する人はあまりいないと思うので、「内側の壁」と聞いてもピンとこないかもしれません。

そこで、トウガラシやハバネロの仲間である、ピーマンを思い浮かべてください。ピーマンの内側は空洞ですが、空洞はいくつかの「部屋」に区切られていますよね。部屋を区切っているのが「内側の壁」です。

トウガラシやハバネロの「外側の果肉」部分には、あまりカプサイシンは含まれていません。「食べた瞬間は平気だったのに、後からじわじわ辛さに襲われた」といった経験はありませんか。それは「外側の果肉」を歯で噛んだときは辛さがなく、「内側の壁」を噛み砕いたときに、カプサイシンが口の中に広がるからです。
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カプサイシンよ、お前は私に何をした!?

それでは、カプサイシンは人体にどのような作用を及ぼすのでしょうか。カプサイシンは「感覚を管理している神経」にくっ付きやすい性質があります。「感覚神経」は体が危険な状態に陥ったときに、激しい痛みを発して「警報」を鳴らす役目があります。「感覚神経」がこれだけの痛みを発するので、私たちはその危険から逃げようとするのです。

ですので「感覚神経」はかなり敏感です。カプサイシンの「感覚神経にくっ付きやすい性質」は、例えていうなら「高層ビルの中のすべての警報装置を押して歩く」ようなものです。カプサイシンは自分が通過するあらゆる場所で、感覚神経という警報装置を鳴らしているのです。カプサイシンは水に溶けにくいので、最終的には排便のときに肛門が痛みます。
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胃酸が分泌される

「感覚神経」は全身に張り巡らされているので、舌を麻痺させたカプサイシンは、次に喉の感覚神経を刺激します。辛いモノを食べると、むせるのはこのためです。次に胃の中に入ると、胃の感覚神経を刺激します。

胃は感覚神経が刺激されると、胃酸を多く分泌します。これが「お腹が痛い」症状を起こします。胃の中には「胃酸」と「胃粘液」という2つの液体があります。この2つは絶妙なバランスを取りながら「食べ物は溶かすけど、胃は溶かさない」ようにしています。
ところが胃酸が多くなるとこのバランスが崩れてしまい、胃が溶けてしまうのです。「胃が溶ける」ことを、「胃の粘膜が傷つく」といいます。胃粘膜が傷つくと、シクシク、ズキズキという痛みが発生します。

胃酸はストレスが増えても分泌されます。つまりストレスによる胃痛も、辛いモノによる胃痛も、原因は同じなのです。
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胃を保護する機能も失われる

カプサイシンの攻撃はこれにとどまりません。胃の「感覚神経」には、胃粘膜を保護する働きがあります。しかし、カプサイシンによる胃への攻撃が長期にわたると、「感覚神経」は「胃粘膜の保護」をしなくなってしまうのです。つまり胃は、自分を守ってくれる味方を失うわけです。そんなところに追加のカプサイシンがやってきたら、胃痛はさらに悪化するでしょう。
辛いモノの食べ過ぎは良くないのです。

カプサイシンの長所

ではカプサイシンは健康を悪化させる成分なのかというと、そうではありません。なんと「少量のカプサイシン」が、胃粘膜を保護する作用があることが分かっているのです。「少量のカプサイシン」を摂っている人は、摂っていない人に比べて、胃潰瘍を起こすリスクが少ないというのです。

大量のカプサイシンは人間を攻撃するのに、少量のカプサイシンは人を健康にするのです。不思議な関係ですね。

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