今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『「逆さまつげ」は、ぽっちゃりタイプの赤ちゃんに多い!!』をご紹介させて頂きます。

人間の上まつげは、180本もある

人間の「まつげ」は、目の周囲で発達した体毛の一種で、睫毛(しょうもう)という呼び方もあります。

日本人のまつげは「上まつげ」が12ミリほどの長さで約180本、「下まつげ」は6〜8ミリほどの長さで約70〜80本生えていると言われます。そして、1日に平均0.18ミリ伸びて、約100〜150日で抜け替わるようです。
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まつげは、眼球を守る大事なセンサー

まつげの役割は、ゴミや埃などの異物が入らないように眼を保護し、眼球への傷や目の疾病を防ぐことです。そのため、上まつげは上に向かって、下まつげは下に向かって生えています。

特に上まつげは、反り返るように上に向かっています。これは、猫のヒゲのように敏感に接触を感知して、ゴミや埃などに対して、反射的にまぶたを閉じさせるためです。上まつげの毛根の周りには、知覚神経が集まっています。

もし、まつげがなかったら…。わずかでも風のある日は「とても外には出られない」といわれるほど、まつげは大事なものです。だからこそ眉毛はなくても、まつげはさまざまなほ乳類、あるいはそれ以外の動物にも見られるのでしょう。ヘビのなかにも、まつげのある種類が存在するようです。
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「逆さまつげ」は、タイプがある

まつげが、逆の方向つまり眼球に向かって生えた状態を「逆さまつげ」と呼びます。逆さまつげになると、逆さに生えたまつげが眼球を傷つけ、痛みがあり、目ヤニや充血が起こります。ときには視力低下や角膜異常につながる恐れがあります。

逆さまつげは(1)まつげ全体が眼球に向かっている状態と、(2)一部のまつげだけが眼球に向かって生えている状態があります。

(1)まつげ全体の逆さまつげは、「眼瞼内反(がんけんないはん)」と「睫毛内反(しょうもうないはん)」に分かれます。眼瞼内反は、まぶたの皮膚のたるみによって、まつげが眼球に方向に生えてしまいます。先天性と老化によって起こる場合がほとんどです。

一方、睫毛内反は、ぽっちゃりタイプの赤ちゃんに起こりやすいといわれます。皮下脂肪が多いためにまつげが下向きになったり、あるいは頬がふっくらしているため下まぶたの皮膚が盛り上がり、下まつげが眼球に向かいます。まぶたの問題ではなく、筋肉よりも脂肪の多い乳児特有の症状です。

(2)一部のまつげだけが逆さまつげになる状態を、「睫毛乱生(しょうもうらんせい)」といいます。まつげの向きが不規則に生えています。1、2本だけの場合もあれば多数見られることもあります。まぶたではなく、不規則な方向に生えているまつげの「毛根」が問題です。自分で逆さまつげを抜くと、角膜を傷つけるほか、感染などの恐れがあります。眼科に相談するほうがよいでしょう。
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赤ちゃんの顔は、脂肪が多く「逆さまつげ」になりやすい

赤ちゃんの顔は、筋肉が発達途中のため、顔には脂肪が多く「睫毛内反」になりやすいといわれています。成長していくと顔の筋肉が発達し脂肪が減るため、逆さまつげは自然に治るものです。2~3歳までには落ち着くのが一般的です。あまり心配しすぎることはないでしょう。

それでも、逆さまつげがあると、白目が充血し、目ヤニ・涙・まばたき・目をこする、眩しそうにする、といった様子が普段よりも多く見られます。目ヤニは清潔なガーゼなど柔らかい布でやらしく拭きます。目をこすって眼球を傷つけないために、赤ちゃんの爪は短く切っておきましょう。

自然に治るとしても、現在の常態を知ることは大切です。できれば一度眼科を受診してください。そのままでも問題がないかを確認しましょう。自然に治ることが多いので、それまでは抗生剤の点眼などで、経過観察になる場合がほとんどです。

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