「進行性のがん」と「通常のがん」はどう違うの!?

今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『「進行性のがん」と「通常のがん」はどう違うの!?』をご紹介させて頂きます。

歌舞伎俳優の市川海老蔵さんの妻で、フリーアナウンサーの小林麻央さんが、乳がんを患っていることが分かりました。小林さんは2016年6月現在33歳。とても若い年齢での発症です。新聞が「進行性乳がん」と報道したことを受けて、海老蔵さんは緊急会見を開き「深刻です。進行具合は全部聞いているが『深刻』という言葉でご理解していただければ。手術に至らなかったので、今、抗がん剤治療を率先してやっている」と明かしました。

乳がんの中に「進行性乳がん」と呼ばれるものがあります。がんは「広がり」と「深さ」によって、深刻度が0期、1期、2期、3期、4期の5段階で評価されています。0期といっても「がんがゼロ」という意味ではなく、「初期がん」となります。3期と4期の状態の乳がんを「進行性乳がん」と呼びます。
つまり「進行性乳がん」とは「ものすごいスピードで進行している」という意味ではなく、「かなり進行している」という意味です。

3期ですら胸の骨まで…

次に「がんの深まり」について解説します。乳がんの発症に気付かずにがんが成長してしまった場合、仮に他の臓器に転移してなくても、深刻な事態に陥ります。
「2センチ」がひとつの基準になります。乳がんによってできるしこりの大きさが2センチ以下で、さらにリンパに転移していない場合、ステージは1期となります。0期の次の2番目に軽いがんといえます。
ところが2センチより大きく成長してしまい、さらにリンパへの転移が認められると、ステージが上がり2期となります。これでも十分恐い状態ですが、しかしそれでもまだ悪化するのです。

3期にまで進んでしまうと、とたんに生存率が低くなってしまいます。3期の乳がんを「局所進行乳がん」といいます。
3期になると、乳がんは乳房をかなり侵食し、がん細胞ががっちりとリンパにくっついた状態になっています。胸の骨の奥にもがん細胞が進んでしまっています。

4期では脳にも…

次に「がんの広がり」についてです。乳がんは治りやすいがんと言われていますが、ただ恐いのは転移です。乳がんの場合、がん細胞が小さなうちから、血管やリンパに乗って肺や肝臓などに移動してしまいます。その移動先でがんが発症すると「転移性乳がん」と診断されます。つまり、乳がん肺がんの両方を患っている状態になるので、かなり深刻な状態です。
4期は、がん細胞が肺、肝臓、膵臓、骨、脳に転移している状態です。「末期がん」と呼ばれることもあります。

100人中66人…

1期の状態で乳がんの治療を受けた人が5年後に生きていられる率は95%です。5%の人が亡くなるので、恐いのですが、それでも95%まで達成できたのは医療の進歩のおかげといえます。
ところが3期の乳がん患者の5年生存率は66~76%にまで落ち込みます。4期の5年生存率に至っては34%、つまり100人中66人が5年以内に亡くなるのです。

乳がん検診の確かさは?

乳がんを予防するため、乳がん検診が勧められています。乳がん検診で行われているのは①触診、②エコー、③マンモグラフィの3つです。
触診は医師が手で乳房に触れ、しこりを探す検査です。
エコー検査は、超音波で乳房内部の様子を「見る」検査です。
マンモグラフィも乳房の中を「見る」検査ですが、こちらはX線を使います。マンモグラフィは乳がん専用のレントゲン検査機器です。

実は「乳がんが見つかったが、2年前の乳がん検診で医師から問題なしと言われた」というケースがよくあります。
こうした事例について、医師の見解は2つに分かれます。ひとつは「前回の乳がん検診でがんが見落とされた」という意見です。つまり検査に不備があり、そのために患者が早期がんの段階で治療を受けられなかったと指摘しているのです。

医師の能力にも限界がある

別の医師の見解は、「検査機器の能力と、検査結果を判断する医師の能力には限界がある」というものです。「現代医学の力では見つけられない乳がんがある」という見方です。
これには厚生労働省も「グリッドのないマンモグラフィで撮影した場合、300ミクロン以下の微細な石灰化像が見逃されることも指摘されている。また、マンモグラフィの普及のためには、習熟した撮影技師、読影医師の確保が必要である。装置や人材については地域較差がある」(乳がん検診の見直しについて、2004年3月)と認めています。

それでも乳がん検診を!

しかしこのことをもって、乳がん検診の有効性を否定するものでは決してありません。乳がんは、早期に発見してすぐに治療に取り掛かれば、死ぬがんではありません。これは間違いなく、医師を中心とした医療関係者たちがこれまでに築き上げてきた、日本の乳がん検診体制の賜物なのです。

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