今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『月いちチェック、自分で見つける乳がん!』をご紹介させて頂きます。

日本で急増している乳がんは、自分で発見できる数少ない癌のひとつです。乳がん発見の70%は自己検診がきっかけとなっています。早期発見のためにもセルフチェックをしてみませんか。

日本人の乳がんは増加傾向

年々乳がんの患者数が増加しています。年間約4万人が乳がんと診断され、1万人以上の方が亡くなっています。日本人女性のおよそ12人に1人が乳がんを患うという計算です。
年齢別に見た場合では、30代後半から患者数が徐々に増え、40代後半から50歳代前半に多くなります。他の癌のように高齢になるにつれ増加する傾向とは違い、比較的若い世代でも多くみられるのが特徴です。壮年層(30~64歳)の女性では、がん死亡原因のトップが乳がんです。つまり、若い時から関心を持つ必要があるのです。
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セルフチェックの方法

①鏡に向かって両腕を上げ、乳房の変形や左右差がないかをチェック
乳がんの所見として、えくぼのような凹みやひきつれがみられることがあります。乳がんが皮膚表面に達すると皮膚が赤く腫れることもあります。

②円を描くように手を動かして、指で乳房にしこりがないかをチェック
調べる乳房とは反対の手で乳房とわきの下までしこりがないか調べます。入浴時に石けんなどで指の滑りを良くして行うと調べやすいです。乳房や乳首を絞り、分泌物がないかも調べて下さい。

③仰向けになって外側から内側へ指を滑らせ、乳房にしこりがないかをチェック
乳房が平らな状態にして、脇の下からしこりがないか調べます。乳がんは乳首よりも上の外側にできることが多いので、その部分は丁寧に調べて下さい。
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月に一度行いましょう

排卵から月経終了までの期間は乳房に張りがあるため、月経が終了して1週間くらいの間に行ってください。閉経後の人は毎月定期的に行えるように日にちを決めるといいです。
乳房のしこりには、乳がん以外にも乳腺症や線維腺種などがあります。月経前に痛みがある場合には乳腺症であることがほとんどです。進行した乳がんの場合では月経に関わらず痛みがみられます。日常的に自分の乳房の状態を知ることで、些細な変化に気付けるようにしておきましょう。
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乳がん検診って?

乳がん検診で行う検査にはマンモグラフィと超音波(エコー)があります。
マンモグラフィとは乳房のX線撮影です。しこりとして触れないような小さな、早期の乳がんも発見できます。乳房を圧迫板ではさんで2方向撮影します。正しい位置でしっかりとはさむことが大切です。痛みを感じる人もいますが、圧迫することでしこりの影がはっきりと写ります。検査にかかる時間は15~20分程度です。X線による被ばくの可能性があるため、妊娠中の人には実施されません。若い人は乳腺が発達しているため、マンモグラフィでは乳がんの発見が困難なことがあります。
超音波検査は乳房に超音波をあてて画像で異常の有無を調べることができます。マンモグラフィのような痛みはありません。超音波を使用しているためⅩ線のような被曝がなく、妊娠中でも安心して検査を受けることができます。

40歳以上の女性に対してマンモグラフィ検診を行うことで、乳がんによる死亡のリスクを減らせることが証明されています。しかし、乳がん検診受診率は日本ではおよそ3人に1人と極めて低いのが現状です。2年に1回マンモグラフィ検診を行うよう国は推奨しており、40歳以上になると定期的にクーポンを使用して検診が受けられるようになっています。

乳がんは2㎝以下のしこりでリンパ節への転移がない状態であれば、約90%の人が完治しているという結果が出ています。小さなうちに発見できれば、乳房の温存も可能になります。早期発見し適切な治療を受けることで、経過は良好になります。

検査したから万全、という訳ではありません。検診で異常なしと診断されても、2700人のうち1人が1年以内に自分で乳がんを見つけています。セルフチェックをしておかしいと感じたら、次の検診を待たずに受診することをお勧めします。

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